投資家の皆さまへ

電子公告

平成16年3月期決算説明会 社長講演要旨

企業4555 沢井製薬
このページの著作権は、社団法人 日本証券アナリスト協会に属します。


ジェネリック医薬品を取り巻く環境と当社の対応
澤井弘行(サワイヒロユキ)
沢井製薬株式会社社長
社長

 

はじめに

当社は昭和4年(1929年)大阪市旭区において創業、昭和23年(1948年)に設立したジェネリック医薬品メーカーである。平成7年(1995年)店頭登録、平成12年(2000年)に東証二部上場(現在東証第一部)を果たした。年間売上高は225億円である。
本日は、平成16年3月期連結業績概要、来期計画、中期経営計画を中心にご説明することとしたい。



平成16年3月期連結業績は増収・増益

平成16年3月期連結業績は、売上高225億48百万円(前期比6.5%増)、営業利益38億96百万円(同28.5%増)、経常利益36億38百万円(同29.1%増)、当期純利益22億81百万円(同42.6%増)と増収・増益となった。1株当たり当期純利益は178.64円である。
当期は、従来販売費に計上していた販売リベートを売上控除として売上高には計上しない会計処理に変更した。前期の売上をこの新方式で計算した上で、伸び率を計算すると、約11%の伸び率となる。一方、利益面については、売上増=生産増により、製造経費を中心に製造原価率が実質的に4%低下して、30%近い増益となった。
第3四半期発表時に業績の上方修正を発表した。しかし1〜3月には薬価改定前の買い控え、インフルエンザがあまり流行しなかったこと、昨年の冷夏の影響により花粉症が少なかったことから、業界全体で見ても薬の売れ行きは落ち込んだ。当社も期初予想はクリアしたが、修正予想値を下回った。



中期経営計画

ジェネリック医薬品市場は、新規採用医療機関の増加、採用品目数の増加を背景に大きく変化しつつある。一方これに伴って市場が求めるジェネリック医薬品メーカーへの要求も高度化している。当社はこれに対し、(1)医薬情報部員の増員と各支店・営業所への配置、(2)MRを増員し、200名から250名体制へ。コントラクトMRも活用する、(3)全国展開している一般卸との連携強化、(4)試験研究費を3年間で65億円支出する、(5)製造販売連携システムを活用し、原価低減、リードタイム圧縮を図る、(6)積極的な広告展開を行う、等の対応を図る。途中年次は省略するが、数値目標は最終年度(平成18年3月期)で、連結売上高288億円、同経常利益52億円である。



中期経営計画に関連する話題

現在本社研究所を新大阪近くの新御堂筋沿いに建設計画中(総工費40億〜45億円)で、来年の10月完工の予定である。また兵庫県にある三田工場の増設を進めている。三田工場は、ステロイド、抗がん剤、微量かつ特殊な生産設備が必要な医薬品等の製造設備を整えることを主な目的として20数億円を掛けて増設する。
厚生労働省、中医協で決定した新規後発品の薬価算定係数は先発品の0.7掛け(従来は0.8掛け)は、本年7月の新製品から適用される。医療機関が買いやすくなる反面、ライフサイクルが短くなりかねない欠点がある。しかし約10年前に発売した製品が大幅な価格ダウンがあっても良く売れていることも事実である。低薬価は患者のメリットであることを考えて医療機関も使うようになっている。この流れは間違いないと思う。
当社は4月から高橋英樹さんを起用してテレビコマーシャルを進めている。東和薬品の黒柳徹子さん、メルクの岸惠子さんとも並んで、ジェネリック医薬品の知名度が上がってきた。西川きよしさんや竹村健一さんもジェネリック医薬品について話してくれている。高橋英樹さんのテレビCMはワンクール3週間で数億円掛かるが、利益計画をにらみ合わせながら広告を続けていきたい。
来年平成17年の新製品は史上最高の承認許可件数になる。大いに期待している。
DPCについて。特定機能病院は既に大学病院中心に82施設中20施設に採用されている。現在、DPCを実施した場合どのくらいコストが掛かるか、9月実施をメドにテスト中で、今はあえて先発品を使っている。したがって10月以降はジェネリック医薬品、とりわけ当社取り扱い医薬品に対する需要が大幅に増加する可能性があり、期待している。
「あなたの薬代が半額になる」という中野次郎先生が著した本が出版された。医薬品や日本の薬価制度に関する資料は私が幹事をしているジェネリック医薬品研究会が提供したものである。中野先生はアメリカ生活が長い方で、向こうの事情もよくご存知であるが、日本のジェネリック医薬品に対する認識は、米国の30〜40年前と同じであるとのことである。ジェネリックは品目数約1万品目、メーカーで2百〜3百社もある。この中で悪いところだけを挙げつらってジェネリック医薬品を誹謗・中傷されるのは、極めて心外である。「それでは新薬はどうですか」と問いたい。サリドマイド、キノホルム、ソリブジン、タミフル等、思わぬ副作用に対し緊急安全性情報が数多く出されている。だからと言って新薬を使わないという理論にはならない。リスクは
あっても新薬の意義の方が大きいためである。世界人類の85%がジェネリック医薬品に依存している。また医薬品の価格はジェネリックの出現によって70%もダウンしている。このようにジェネリック医薬品の存在意義は我々にとって掛け替えのないものである。小泉改革で掲げられた「後発品使用促進」は、国の方針となっている。しかしジェネリック医薬品についての中医協の議論を見ると、現行の2点の経済的インセンテイブ不要論をはじめ、誹謗・中傷に類する意見が多い。医師代表、薬剤師代表も同調しているのは残念である。



質疑応答

販売リベートの会計方針変更に関連して、卸と販社に分けてリベート率を伺いたい。
全体で平均7%であるが、売値との関係もあってリベート率は卸の方が大きい。

本年7月収載分で平成17年3月期に売上に寄与するのはどのくらいか。貴社が期待している主要医薬品は何か伺いたい。
約10億円である。医薬品名については先発メーカーとの関係もあり、コメントを差し控えたい。先述したが、平成17年の収載分は全部で3,700億〜4,000億円と空前の規模になる。各社の品目が分散し、競争は緩和されることもあり大いに期待している。

平成17年追補分には、ハルナール、キネダック、タケプロン等が予想される。貴社が特に期待しているのはどれか伺いたい。
いずれも武田薬品、山之内製薬の超主力商品である。当然大手メーカーの特許防衛意識は厳しいが、平成17年、18年ごろに下りてくることを期待している。


(平成16年5月21日・東京)