平成16年3月期中間決算説明会 講演要旨
企業4555 沢井製薬 このページの著作権は、社団法人 日本証券アナリスト協会に属します。 ジェネリック医薬品市場開拓に努力
澤井弘行(サワイヒロユキ)沢井製薬株式会社社長 |
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ジェネリック医薬品の現状
最も新しい世界のジェネリック医薬品のシェアでは、アメリカ、ドイツ、イギリスで全処方のうちジェネリックの占める割合が50%を超えた。先進国の中では、フランスが12%、日本が11%と少ない。特許の切れていない医薬品は、数量ベースで30〜40%と推定されることから、上記3カ国では特許の切れた医薬品の80%がジェネリックに移行している計算になる。
日本では、2年前の薬価改正により、長期収載医薬品の薬価算定ルールの見直しやジェネリック医薬品に対するGEルールの廃止が実施された。一方、ジェネリック医薬品の使用に対する経済的インセンティブが導入された。その結果、医薬協の最新の情報では、ジェネリック医薬品メーカーの売上が平均7.4%伸長となっている。デフレ不況、年金不安、医療費の高騰による自己負担増、また健康保険は赤字といった状況の中で、ジェネリック医薬品の持つ意義は大きい。
厚生労働省の医薬品承認審査の当事者も言明しているが、日本のジェネリック医薬品は厳しい基準で承認されており、実際、4液性での溶出試験は全世界で日本しか行っていない。日本のジェネリックメーカーが「品質、情報、安定供給」に一層努力し、認知度が高まれば市場にますます浸透していくであろう。
ジェネリック医薬品市場の変化
販路別売上高では、大手広域卸向けが約38%伸びた。全国に100軒以上ある当社の従来の販売会社は、19.4%の伸びであった。今後とも広域卸のシェアが伸びていくものと予想している。
当社製品は国立病院や特定機能病院での採用が急激に増えている。2003年10月現在での国立病院採用実績は、285施設中、128である。薬剤師や医療従事者が「MRの数」、「MRの質」、「広域卸との取引」、「パンフレット」、「配合変化表」、「インタビューフォーム」、「不純物データ」、「生物学的同等性の生データ」など、50〜100のチェック項目を設け、すべての会社にランク付けをしている。それにより当社、日本医薬品工業、メルクホエイなどにジェネリック医薬品の採用は絞られつつあると推定される。
日本ではジェネリック医薬品の認知度はまだまだ低く、一般国民にほとんど浸透していない。先進国の中でジェネリックの使用が少なかったフランスでは、医療費に困った政府がTVで広報活動をして前年比43%アップと驚異的に使用が広まった。当社は自ら広報、啓蒙に努め、ジェネリック医薬品が国民に知られるよう努力していく。
今中間期決算概要
常務取締役 佐藤博之
平成16年3月期中間決算の連結業績は、売上高112億1百万円(前年同期比14.6%増)、営業利益20億39百万円(同79.3%増)、経常利益19億49百万円(同87.4%増)、純利益11億17百万円(同87.7%増)であった。
当期に、従来販管費として計上していた販売手数料を売上控除という形に変える会計処理の変更を行った。これは、大手卸の比重が増え、金額的重要性が高まってきたことから、売上控除の方がより適切であると判断したことによる。このため、売上高は従来の計算でいくと119億2百万円となる。
連結の損益計算書でこの上期の前期対比で一番目立つのは、売上原価率が4%ほど下がり、粗利益率が大きく伸びていることである。この要因の一つは新製品売上をはじめとして高採算品の売上が増えたことである。二つ目には、増産効果が出て、製造経費の比率が落ちていることによる。九州工場注射剤棟の改築を控え、この上期に作りだめしたことも要因の一つであり、下期については若干粗利率を下げた計画を立てている。
当期設備投資額については、23億89百万円と公表しているが、これに今回ファイナンスで発表した不動産の購入20億円程度が加算される予定である。現在、大阪地区で、研究所、本社が分散しているのを1カ所に集約するため新たに一部建物付きの土地を購入した費用である。これを機に研究開発部門の画期的な充実を図るため、研究棟を建設する。その費用は来期以降に計上する予定で、最終的には土地代を合わせた総額で40億円程度の投資となる予定である。
株式については、今回のファイナンスの結果、期末の発行済み株式数は1,362万4千株となり、1株当たり純利益は141円5銭と予想している。
質疑応答
通期の売上を据え置きとした予想についてコメントをいただきたい。
通期をそのままに据え置いた理由としては、2年に1度の薬価改定が4月にあるので、2月に内示、3月中に告示があると思われる。その関係で、1〜2月は、医療機関、薬局、卸問屋は在庫がゼロになるまで徹底的に買い控えすると予想される。そうすると1〜2月の売上が減るというときに弱小メーカーは値段を下げてくることがあり、非常に不確定要素が多い。また、インフルエンザや花粉アレルギーが多い時と少ない時では、抗生物質関連などは全く違う。それらを考えて慎重に予想した数字を出した。
メバロチンとリポバスの後発品に関し、上期の売上について伺いたい。
メバロチンとリポバスは、いずれも当社予測の7割程度の推移である。それぞれ各社のトップ商品であることから、徹底した防衛があったことによる。相当な値引き販売があったと認識している。これを既存品の市場の拡大等で補った。
御社の顧客の広がりについて詳しくお聞かせいただきたい。
MRからの報告によると、県立、市立、また町立、村立の病院でも、従来からの補助金が増えないことから、採用を考え始めるという動きが出てきている。医者がジェネリックにはなじみがないという状況を加味すると、採用品目が急激に上がることはないが、確実に、医療機関側でジェネリック品を採用してみようとする段階に来ている。
来年の薬価改定での影響について伺いたい。
先発商品の4割の薬価で下支えしていたGEルールが廃止になったとき、当社は逆ザヤのものだけ値段を改定し、その他のものには手をつけなかった。したがって古いものについては、今度は下がらないとみている。当社はジェネリック業界ナンバーワンでプライスリーダーでもあるので、当社の価格に各社が追随する形になる。したがって、新しいものについても、当社の引下げ率は同業者よりも低いと考えている。統計調査がどのようにとらえるかによって値段が相当動くので、予測は難しい。
医療制度改革について、インセンティブがどのようになるのか、御社の考えをお聞かせいただきたい。
診療報酬というか調剤報酬ということであれば、医療制度改革の項目に入っていると聞いている。むしろ薬価改定で先発との差が3〜4割開けば、当社にとって絶好のチャンスとなるので、そこに期待している。今年の新製品についても、「来年もっと価格が下がって先発品の6掛けくらいになったら、患者に対して勧めやすい」という医者が多かった。
先発メーカーの製品からジェネリックに代わる動きはあると思うが、ジェネリックメーカー同士で顧客の採用が変わることはあるのか。
先発品からジェネリックに変えるには大義名分がある。つまり「患者の負担する医療費が安くなる」というものである。これに対し、後発メーカーから他の後発メーカーに変えるには大義名分がない。「なぜ薬が変わったのか」と問われて、医者が「私がもうかるから」とは言えない。だから後発メーカー製品から別の後発品に代えることは限定的となる。このことは、後発品は最初に入った方が有利だとも言えるだろう。
(平成14年11月18日・東京)



