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インタビュー
私のセルフ・メディケーション  俳優・高橋英樹さんの「たわし健康法」
40年以上も芸能界の第一線で活躍しながら、最近では絵や書にのめりこみ、プロ級の腕前を披露している高橋英樹さん。健康通としても知られる高橋さんに、健康の秘訣を聞きました。
高橋英樹さんPROFILE 高校在学中の1961年、日活ニューフェース5期生として日活株式会社に入社、「高原児」でデビュー。 以後、「激流に生きる男」「男の紋章」シリーズ、「けんかえれじい」「戦争と人間」「伊豆の踊り子」等、映画黄金時代に多数出演、活躍する。NHK大河2008「篤姫」、EX 土曜ワイド「西村京太郎のトラベルミステリー・十津川警部シリーズ」、TX「トコトンハテナ」等に出演中。
高橋さんは日ごろ、健康のためにどのようなことをなさっていますか?

僕は、お医者さん大好きな健康診断マニア。
データを集めるのが趣味なんです(笑)。
年に最低でも1回は健康診断を受けてます。でも、結果はいつも中性脂肪、コレステロール、高血圧、尿酸値、それから脂肪肝、全部×が出ます(苦笑)。

ただ、データが悪いから即病気ってことでもないと思うんです。だって、僕22才の時に初めて健康診断したときから、中性脂肪とコレステロールは高いですから。つまり、42年間、同じような状況なんですよ。でも、ずっと元気に仕事してきていますからね。
だから、数値についてはあまり気にしないようにしています。

データをイチイチ心に留め置いて、それでストレスをためることが、一番の不健康の基ですよ。僕はそう思っている。
ただ、一応、データを持っていれば、もし数値が急激に変化したとき、自分で気をつけられますから。自分の状態を正確に把握しておくことは大事だと思います。
僕の数値が悪い理由ははっきりしています。美食と運動不足。この二点ですね。


実は、昨年、ちょっと腰を痛めたんですよ。それで、整体にペインクリニック、鍼、気功、カイロといろんな病院へ行ったんですよ。そしたらどのお医者さんも「運動不足です」っておっしゃった。筋肉が無くなってきているのが腰痛の原因だったんです。

なるべく歩くようにと言われたので、最近は夜1時間ばかり歩いているんです。
歩くときは、片方で1.5キロくらいある重い靴を履いて、着るだけで汗の出る上下のスエットスーツを着ています。どちらも、元プロボクサーの竹原慎二くんが開発したもので、竹原くんに勧められたんですよ。これ着て歩くと、ものすごく汗をかきます。
でも、体重は重くなりました。歩くことで腹筋と背筋がついたから。

昔と最近とで、健康への気遣いは変わりましたか?

それは変わりました。
僕はサウナが好きでよく行くんですが、昔は、10〜12分くらいずつ7回くらい入ったりしてたんですよ(笑)。それも水も飲まずにレモンをかじって。なんか耐えることが面白くてね。隣にいる人より少しでも長く我慢してやるとか。もうライバル心むき出しで(笑)。

でも、目の前で倒れてそのまま亡くなった方がいらしたんですよ。
それを見て「これは危険だ!」と気づいて、それからは無理はせず、汗をバァーとかいたらすぐに外に出る、そして水分を摂るようにしています。

我慢比べより、何よりも気持よくなることが大事だと気づいたんです。でも、それに気づいたのは60歳前くらいかな。それまでは結構無茶なことしていましたね(笑)。

高橋さんが実践しておられる、ユニークな健康法があるとか。

僕は30年以上前から、タワシ健康法っていうのをやっているんです。
僕は若いころから虚弱体質で、ちょっとした温度の変化で、すぐに風邪引いちゃうんですよ。よく、女性がシャンプーして、髪濡れたままでいるでしょ? あんなことやったら一発で風邪引いちゃうんですから。

それで、これはなんとかしないとって思っていたら、本に、皮膚を強くすると風邪をひかないと書いてあったんです。それで乾布摩擦を始めたんですよ。
そしたら、体を擦ることで多少自分自身が違ってきてるなという感じがあったんですね。
そのうち、タオルじゃ飽き足らなくなってきて、ちょっと表面がギザギザしている健康タオルでやるようになって。それでも物足りなくなったとき、本に「タワシがいい」ってあったんです。それからすぐにタワシで擦るようにしました。

最初は強烈痛かったですよ。擦ると血だらけになるんですから。それで、まず踵とか皮膚の強いところを擦って、だんだんタワシが馴染んできたころに、柔らかい皮膚を擦るようにしたんです。それでも最初は痛かったんですけど、今なんか全身カァーって擦っても全然痛くない。もう血も出ず。ただ、体中真っ赤になります。
今のmyタワシはもう10年ぐらい使っています。僕が愛用しているのは「亀の子タワシ」です。このタワシが一番好きですね。

タワシ健康法を始めて3年くらいから、圧倒的に風邪をひかなくなりました。
タワシで擦るのは仕事の前。自分では背中ができないんで、付いてる子に衣装に着替える前に、カァーっと擦らせるんです。僕は平気なんだけど、やる方はきついらしいです。みんなボタボタ汗かいて、ハァーハァー言ってますから(笑)。


タワシで擦って全身真赤な状態で衣装に着替えるじゃないですか。そしたら今度は、顔を100回くらいぶっ叩くんですよ。バンバンバンバンって。
ビンタ健康法です。
これは健康にどんな効果があるか、まるっきりわかりません(大笑)。

だけどこれも30年以上やってます。顔中が真っ赤になるくらい叩きます。ときどきショウテイが入ったりしてフラァ〜っとするくらいやっちゃう(笑)。舞台やっていると、僕がこれを始めたら、「あっ! 座長もう化粧始めるで」って言うぐらい、楽屋中に音が響きます。
メイクをする前に必ず叩いて、それから役のメイクを作る。僕なりに、気合いを入れるのと、血液を一回まわしといて、それから新たな役作りに入るという思いがあって。

この二つの健康法のおかげか、仕事先で他の俳優さんに「高橋さん、体温高いんですか?」って言われます。隣に座っていたら、グゥーって何かが来るっていうんですよ。だからエネルギーは多少あるのかなぁ。自分では新陳代謝がいいんだろうと思っていますけど。

食事で気をつけていることはありますか?

僕がずっと励行していたのは「30噛み」。
これは今はやったりやらなかったりで、意志の弱さを感じておりますが(笑)。
一遍口に入れたら30回噛むっていうシンプルな方法だけど、この30噛みダイエットで、7キロくらい落としたことがあるんですよ。これは落ちます! それも短期間で。

でも、最初は30回噛むっていうのがなかなかできないんですよ。
特に僕らは時代劇なんかやっていると、昼休みって1時間しかないんですね。1時間の間に衣装を脱いで、浴衣に着替えて、食事に行って、帰ってきて衣装に着替えて、かつらを全部直す。すると食べる時間なんて5分くらいしかないです。5分で食べられないヤツは役者やれないって言われているくらい。
だからつい忙しく食べるクセがついちゃうんです。チェーンスモーカーって言うけど、僕らは「チェーンイーティング」なんですね。おかずを一口入れたらそれを噛んでるうちにまた次のを入れてという感じで。

それで、チェーンイーティングをしないために、一口入れたら、お箸を置いて席を立って、お弁当から離れるようにしたんです。それで噛んで飲み終わったら、また戻って食べる(笑)。
これで7キロ落としたけれど、でもすぐに戻っちゃったんですよね(苦笑)。
というのが、ラーメンやそば、パスタ類を30回噛むとものすごくまずくなるんですよ(苦笑)。それで、「麺類くらいはツルツルっと食いたいな」って思ったら、すぐに元に戻りました(笑)。ダイエットするなら、美味しく食べちゃダメなんですね(笑)。

でも最近奥さんに「また食べるのが早くなってる!」って怒られてます。だからまた始めようかなと思ってますけどね。

「美食」とおっしゃっていましたが、食べる量は多いのでしょうか?

……異常ですね(笑)。今は落ち着いて1.5人分くらい。
45歳くらいまでは、食前食後に食事してましたからね。これから寿司を食べに行くってなったら、じゃあその前にラーメン食べて、寿司の後に、軽くピザかなんか買って帰ろうかって感じで。昔、先代の双子山部屋に行って、朝稽古見て昼飯食べたときに、後ろに立ってる若い相撲取りに「食いすぎだ」って言われたんだから(笑)。どんぶりに9杯(大笑い)。そしたら「食いすぎだよなぁ」って(笑)。

ただ、若いころは体もよく動かしていたから大丈夫だったんでしょうけど、だんだん運動量が減ってきますからね。今なんて、どこ行くにも車で、戸口から戸口の宅急便みたいなもんですから。だから、今は意識的に少しでも歩くようにしています。

高橋さんのようなお忙しい方だと、歩く時間を作るのも大変じゃないですか?

でも、時間は作ろうと思えば作れるんですよ。無精をしなければね。
「どうしようかなぁ。夕方にしようかなぁ」なんて言ってるうちにできなくなっちゃうでしょう? 「あとでやろう」とか言っても、あとでも行かないんですよ。

だから「思い立った時がその時だ」と思って、「いいや。とりあえず家の前だけでも歩いてみよう」とか。そうして歩いてみると、変わります。たとえ短い時間でも、まずは始めてみることですよ。