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不調改善ヘルスケア

姿勢でリセット! 腰痛対策

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日常的な姿勢が原因で、さまざまな不調が現れてくることをご存知ですか? 健康科学アドバイザーの福田千晶先生は、お金も時間もかけず、さらにだれでもできる健康法として「姿勢リセット」を提唱しています。 今回は、加齢とともに悩む人が多くなる「腰痛」の対策を伺いました。

腰の負担が一番大きいのは「座る」姿勢

「良い姿勢」というのは、骨と筋肉のいずれにも余分な負担がかからない状態です。 逆に「悪い姿勢」というのは、体の1ヶ所に大きな負担がかかり続ける姿勢です。

下の図を見ると、座位が腰への負担が一番大きいことがわかりますが、これは股関節が曲がり、腹筋がゆるむために、上半身の重さや動きを支えるための負担が、腹筋以外の背中や腰の筋肉、背骨と椎間板にかかるからです。

さらに、腰部の背骨が前方に凸の湾曲をしやすくなるので、腰への負担はさらに大きくなります。 デスクでパソコン操作をし続ける作業が、いかに腰痛の原因になる姿勢であるかがわかります。

腰の負担が一番大きいのは「座る」姿勢

立ったときに椎間板にかかる圧力を100とした場合の比較。 「座って前傾」の姿勢では185と、一番負担が大きくなっている。

腰痛対策1

イスに正しく座る ~基本姿勢は「膝頭が股関節よりほんの少し高く」~

座る姿勢の基本は、背骨も首もしっかり伸びていることです。 また、「おへそから下を背骨に近づける」要領で、腹筋に力を入れることも大切です。

この姿勢をとるためには、股関節と膝頭が水平、もしくは股関節より膝頭がほんの少し高くなり、足の裏がしっかりと床についていることが望ましいです。

しかし、実際には座面が高く、座ると膝頭が下がるイスを使っている人が多いことでしょう。 そのときには、足元に菓子の空き缶や、雑誌を重ねたものなどをおくと楽になり、腹筋に力が入りやすくなって腰痛予防にもなります。

正しく座ることで集中力も増すので仕事もはかどります。受験勉強をしている子どものイスの高さなどもチェックするとよいでしょう。

この基本姿勢は、ソファでくつろぐときや、車の運転をするときにもあてはまります。

腰痛対策1:イスに正しく座る ~基本姿勢は「膝頭が股関節よりほんの少し高く」~

座る時、膝頭がももの付け根よりほんの少し高くなるような高さの台を足元に置いて両足をのせる。

腰痛対策2

座ったままできる腹筋の鍛え方

座っている姿勢でも腹筋をゆるませないことが、腰痛予防には大切です。

そもそも腹筋は、意識して力を入れたり抜いたりできる数少ない筋肉なので、リラックスして座ったときにはゆるんでしまいがちです。 このサボりやすい筋肉を鍛えることが、腰痛予防になります。

腹筋を鍛えるといっても、特別な運動は必要ありません。仕事の合間、喫茶店でおしゃべりの途中、電車に乗っているときなどにできる簡単な方法があります。

腰痛対策2:座ったままできる腹筋の鍛え方
  1. (1) 片足を上げて10秒キープ、ゆっくりおろす。
  2. (2) もう一方の足も同じように上げて10秒キープ、ゆっくりおろす。
  3. (3) (1)-(2)を8回繰り返す。

10秒キープできるようになったら、秒数や回数を増やすとよい。
1日何回か気がついたときにやる習慣をつけると、より効果的。
腹筋が鍛えられ、お腹がへこみ、便秘解消になるなど、2週間ぐらいで効果が実感できる。

腰痛対策3

若々しい立ち姿勢を保つ

あごが前に出て、背中が丸く、下腹が出て、膝が曲がっているのが悪い立ち姿勢。こんな姿勢では、腰痛だけではなく、肩こりや膝痛も引き起こします。また、年齢より老けた印象を与えてしまいます。

良い立ち方とは、両足に均等に体重がかかり、背骨はまっすぐ上下に伸びて、頭もまっすぐに支えられていることです。正しく立つためには、足裏全体で床を踏みしめるようにします。ここでも腹筋を意識して、下腹が前に出ないように気をつけましょう。

仕事や家事で長時間立つときは、足元に高さ10cmほどの空き缶などを置いて、疲れが気になる方の足をのせると、足腰が楽になります。左右の足を交互にのせると、下腹にしっかりと力の入る姿勢を保つことができます。

腰痛対策4

寝るときは胎児姿勢で

腰痛対策4 寝るときは胎児姿勢で

腰痛のある人は仰向けに寝ると、夜中に寝返りが打てずに目が覚めてしまったり、朝になって腰が痛くて起き上がれなくなる場合もあるので要注意です。 寝るときに、横向きになって「ふーっ」と息を吐きながら両膝を抱えるような胎児姿勢にすると、腰の前湾を減らせるので、腰が楽になります。

太りすぎに注意! 体重3kg増加が腰痛赤信号

体重が3kg増えると、お腹周りは3cm大きくなります。お腹周りが大きくなると、重心が前に出ますから、どうしても立ったり、座ったり、歩いたりする際に体を反ることになり、腰への負担は増大します。レントゲン写真で腰椎の湾曲が認められるような腰痛は、体重増によるものが多いのです。
体重増は腰痛だけではなく、血圧や血糖値の上昇にもつながり、生活習慣病の予備軍にもなってしまいます。
私が皆さんにおすすめしているのは、「3つの『あ』」ダイエット。甘いもの、アルコール、脂ものを1食の中でダブらせないことを意識して実行するだけで、体重管理が簡単にできる方法です。

イラスト/ワタナベモトム

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