カラダの豆事典

歯周病を治して心臓病予防

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歯周病は歯を失うだけでなく、心臓病を引き起こす原因にもなります。なぜ、歯周病が心臓に悪影響を与えるのでしょうか? ヒナ歯科&ケアクリニック院長の能木場公彦先生に伺いました。

原因と症状

そもそも歯周病とは?

成人の場合、歯を失う原因として最も多いのが歯周病です。歯周病は、歯の表面についた歯垢(プラーク)や歯石(プラークが石灰化したもの)に潜む歯周病菌が原因で起こります。歯周病になると歯肉は炎症を起こし、次第に歯を支える骨が溶けていき、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。自覚症状としては、初期の段階では歯肉の腫れや軽い口臭、中程度まで進行すると、歯肉から出血し、口臭もひどくなります。重度になると歯がグラグラし始め、放置すれば抜け落ちてしまいます。

歯周病菌が心臓に炎症を起こす

歯周病は心筋梗塞や狭心症などの心臓病の原因になります。口内の菌が心臓になぜ影響を与えるのでしょうか。それは歯周病が進行し、歯周病菌が増殖してくると、歯周病菌は口内に留まらず、血液によって全身を巡り、心臓の冠動脈に達します。冠動脈は心臓に酸素や栄養を運ぶ、大事な血管です。歯周病菌はその冠動脈に炎症を起こし、アテローム性動脈硬化を促進します。アテロームとは脂肪の塊のようなもので、これが血管の内壁で大きくなると血流が滞り、最終的には心臓に血液が届かず、心臓病を招いてしまいます。アテローム性動脈硬化の主な原因は加齢や高脂肪食、喫煙などですが、最近では歯周病もその一因となることが注目されており、歯周病を予防したり、治すことは、心臓病を防ぐことにつながります。

中程度の歯周病でリスクが上昇

歯周病の進行が中程度になると、狭心症や心筋梗塞などの心臓病を招くリスクが高まります。個人差はありますが、狭心症は胸が圧迫されるような痛みなどが10分前後続きます。一方、心筋梗塞は30分以上にわたり、心臓に強い圧迫感や激しい痛みなどが生じます。歯周病により、これらの恐ろしい心臓病にかかってしまう前に、早めの対策を立てましょう。中程度の歯周病は40代後半から増えやすく、歯茎からの出血や口臭が気になる方は歯周病治療を検討しましょう。

治療法とセルフケア

専門家によるクリーニング

歯周病治療は、歯科医師等が医療用専門の除去器具を使い、自宅での歯磨きでは落としにくい歯垢や、歯石を取り除くことが基本になります。歯垢や歯石を取り除いた後も、2~3ヶ月に1回程度、定期的にクリーニングを行っていけば、中程度までの歯周病であれば、ほとんどが治癒します。ただ、重度の場合では外科手術によって歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)の奥についた歯石を除去したり、場合によっては抜歯したりすることもあります。

ブラッシングは45度の角度で

歯周病菌は空気を嫌う性質があるため、歯周ポケットに入り込んでいます。そこで、歯と歯ぐきの間に約45度の角度で歯ブラシを当て、小刻みに振動させて磨くと効果的です。ただ、力を入れすぎると、歯肉を傷つけて逆効果になるので、注意してください。1日3回、食後に磨き、歯磨き粉は薬用効果のある医薬部外品のものを使いましょう。

フロスの使用もポイント

歯と歯の間の歯垢は、ブラッシングではなかなか落とせません。でも、デンタルフロス(糸ようじ)を使えば落としやすくなり、歯周ポケットの掃除も容易にできます。また、補助的にマウスウォッシュやデンタルリンスを使うのもオススメです。

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