カラダの豆事典

乳がんと間違えやすい病気

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しこりがあると「乳がんかもしれない」と不安になりますが、乳房にしこりができたからといって、必ずしも乳がんではありません。乳がんと間違えやすい病気について、聖マリアンナ医科大学附属研究所 ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニック院長の福田護先生に伺いました。

原因と症状

しこりの80~90%は良性

乳がんと間違えやすい病気はいろいろありますが、その多くは、乳房に「しこり」ができるものです。
しこりは、乳頭(乳首)から乳房全体に放射状に広がる乳腺にできる、乳房がなんとなく硬くふれる部分のこと。乳がんでもしこりができますが、乳腺炎などの良性の病気でもしこりが見られ、乳腺にできるしこりの80~90%は良性だと言われています。また、左右同じような場所にある場合は、乳腺の一部である可能性が大きいので、数週間後に再度触って確かめてみましょう。
良性のしこりの一部は比較的弾力があり、ころころと動く傾向が見られます。これに対して乳がんのしこりは、かなり硬い傾向があります。また、がんが周囲の組織とくっつくため、しこりがあまり動かないのも特徴です。とはいえ、自己判断は禁物。乳がんか、そうでないかを診断するためには、専門医を受診する必要があります。

乳頭から分泌物が出ることも

しこり以外の症状としては、乳頭からの分泌物が出る場合もあります。分泌物が出るのは、乳腺症や乳腺炎、乳管内乳頭腫などです。乳管内乳頭腫の場合は、血液混じりの分泌物が出ることもあります。また、乳腺炎の場合は、乳房が赤く腫れて熱を持ち、痛みや高熱を伴う場合もあります。

治療法

病気によって治療法は異なる

乳がんに似た病気には共通する症状も多くみられますが、原因が異なるため病気によって治療法が異なります。下記に代表的な病気と、その治療法をご紹介します。

最もよく見られる「乳腺症」

乳がん検診で乳腺にしこりや石灰化が見つかって要精密検査といわれたり、しこりに気づいて受診した場合に、診断として最も多いのが乳腺症です。乳腺症は性ホルモンのアンバランスによって起きると考えられ、しこりができたり、乳頭から分泌物が出たりします。痛みを伴う場合は、生理前に痛みが強くなり、生理が始まると軽くなるといった周期性が特徴です。
特に治療の必要はありませんが、痛みがひどければ鎮痛剤で抑えます。

若い人に多い「乳腺線維腺腫」

20代~40代の若い女性に見られる乳房のしこりが「乳腺線維腺腫」。しこりには弾力があって、触るとよく動き、痛みはないのが特徴です。
乳腺線維腺腫の場合も治療の必要はありませんが、大きくなりすぎた場合には手術を行うこともありますので、経過観察が必要です。

急速に大きくなる「葉状腫瘍」

ジャガイモのようにデコボコし、少し弾力があるしこりができるのが「葉状腫瘍」です。多くの場合は良性ですが、悪性の場合や、悪性と良性の中間型の場合があります。
しこりが急速に大きくなる傾向があり、手術によって完全に切除することが必要です。また、再発することが多く、しこりが大きい場合は乳房を全摘する場合があります。

主に授乳期に起きる「乳腺炎」

出産後、乳腺に母乳が滞ることや、乳首から乳腺に細菌が入ることによって起きる乳腺の炎症が「乳腺炎」です。乳房が腫れて赤くなったり、痛みや高熱を伴うことがあります。治療としては、抗菌薬の使用、母乳の滞りを取り除くためのマッサージ、乳腺にたまった膿の注射器による吸引、膿のたまった部分の切開などが行われます。

分泌物が出る「乳管内乳頭腫」

乳管の中にできたポリープが「乳管内乳頭腫」です。乳頭から分泌物が出ることがあり、時には血液が混じることもあります。良性ですが乳管内に存在する乳がんとの見分けが難しく、患部を切除して病理検査を行う場合もあります。乳管内乳頭腫と診断されたら、経過観察を行います。

乳管に液体がたまる「嚢胞」

乳管の中に液体がたまり、袋になったものです。袋は数ミリのものから5-6cmになるものまであり、多くの女性に見られます。大きくなり、張りなどの症状がある場合、注射器で内容液を吸引します。

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