差がつく医療のハナシ

禁煙で差がつく健康とお金の話

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  • 源木(げんき)さん

    ここ数年、路上喫煙禁止条例や、飲食店等での喫煙席の減少など、喫煙者にとっては肩身の狭い世の中になっている気がします。たばこが嫌いな人もたくさんいるわけですから、当然なのかもしれませんが…
  • 健谷(すこや)課長

    日本には「百害あって一利なし」という諺(ことわざ)がありますが、たばこはその代表格ともいわれています。でも禁煙を勧める理由はそれだけではないのですよ。禁煙することで、自分自身のお金だけではなく、医療費全体を節約できる可能性もあるのです。

たばこによる身体への影響

たばこの煙には、主流煙(喫煙者が吸い込む煙)と副流煙(周りの人が吸い込む煙)があります。当然、主流煙の中には多くの有害物質が含まれているのですが、近年の研究により副流煙の中には主流煙よりもさらに多くの有害物質が含まれていることが分かってきました。

例えばタール、ニコチン、一酸化炭素、アンモニアなど、喫煙者の身体にも直接的な影響を与える物質だけではなく、副流煙には多くの発がん性物質が、主流煙よりも多く含まれています。主流煙に含まれる量を1とした場合、発がん性物質であるジメチルニトロソアミンという物質は、19~129倍も含まれているのです。

一方、厚生労働省では2016年8月、「喫煙の健康影響に関する検討会報告書」を取りまとめました。この中では、肺がん、食道がん、胃がんなどのほか、虚血性心疾患(心筋梗塞)や脳卒中、動脈硬化が原因と考えられる腹部大動脈瘤なども、喫煙との因果関係が大きいとされています。その理由は、煙に含まれるニコチンなどの有害物質が
●血管の細胞を傷つけて機能不全を起こす
●血栓を作りやすくする
●慢性的な炎症を起こす
などの作用をもたらし、結果的に動脈硬化を促進させるため、と言われています。

さらに中年以降の男性患者が多い慢性閉塞性肺疾患(COPD)は「もっとも大きな発症要因は喫煙歴である」といわれています。

禁煙で得ることができる“良い事”

日本では、たばこの消費量がもっとも多かったのは1970年代後半から1980年代にかけてです。それ以降は、徐々に減少傾向にあるとはいえ、2015年のたばこの消費本数は1830億本以上、また日本成人のおよそ2割が喫煙者であるというデータもあります。1箱あたりを400円として上記のデータを元に試算すると、1人の喫煙者は年間で17万円以上を消費していることになります。禁煙すれば、この費用が節約できます。

さらに、たばこにより何らかの疾患を発症した場合、それらの医療費も負担する必要があります。例えば、がんの治療費は一概にはいえませんが、肺がん手術を受けた場合、少なくとも50万円以上を負担しなくてはなりません。また、がんの種類や治療法によっては、治療費合計額が1,000万円を超えるケースがあるなど、非常に高額となることもあります。
また、それ以外の疾患でも、命に関わるケースが十分に考えられます。特に動脈硬化が原因といわれる腹部大動脈瘤や虚血性心疾患などは、突然死の可能性があるのです。身近なところでは、喫煙により血管が収縮して起こる頭痛や、胃の不快感や嘔気・嘔吐、息苦しさなどからも解放されるかもしれません。
つまり、禁煙すれば、金銭的なメリットを得るだけではなく、様々な疾患への発症リスクを抑制できる可能性があります。

  • たばこをやめると、金銭的に余裕ができるだけではなく、様々な疾患のリスクも減らすことができるのですね。個人の医療費負担額はもちろんですが、禁煙する人が増えてくれば、日本全体での医療費削減にも役立てるかもしれませんね。
  • そう、その意識が今回の差がつくポイント!
    これで明日もすこやか、すこやか!

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