対処すべき課題

株主・投資家の皆さま

東証1部
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(1) 当社グループの現状認識

1961年に開始した国民皆保険制度の恩恵を受け、日本は世界最高水準の長寿社会を実現してきました。その反面、医療費をはじめとする社会保障費用は、年々増加の一途を辿っているため、少子高齢化も相まって現役世代の負担がますます重くなり、一定の自己負担で高水準の医療を受けられる仕組みの維持が困難になりつつあります。
このような状況に対して、近年、医療の質を落とすことなく限られた医療財源の効率的活用を図るべく、ジェネリック医薬品の使用促進が図られてきました。
政府は2017年6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2017~人材への投資を通じた生産性向上~」(骨太方針)において「2020年(平成32年)9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する。」とし、2018年度診療報酬制度改定等により、さらなるジェネリック医薬品の使用促進を図っています。
ジェネリックシェア80%時代を迎える中、ジェネリック医薬品が担う責任と重要性の高まりに応じて、従来以上に安定供給体制、品質に対する信頼性の確保及び情報収集・提供体制の整備・強化等が求められており、効率的な医療の実現に貢献する企業として、これらの要請に応えていくことが当社として果たすべき社会的責任であると認識しています。
一方、政府により昨年度決定された薬価制度の抜本改革によって、最初のジェネリック医薬品収載から12年経過後のジェネリック医薬品の原則1価格帯化や、通常の2年に1度の薬価改定の間の年度においても薬価調査・薬価改定(中間年改定)が導入されたことにより、今後薬価の下落幅が拡大する可能性があります。
このような経営環境の中で当社グループは、ジェネリック医薬品業界のリーディング・カンパニーとして、いち早く新しいジェネリック医薬品を開発・上市するとともに、品質・安定供給・情報提供においてトップレベルの水準を維持し続けることにより、ブランド価値を比類のないものに高め、競争に打ち勝つことが持続的に成長していくために不可欠との判断の下、その達成のために次の(2)にあげた7点が最重要課題であると認識しております。

(2) 当面の対処すべき課題及び具体的取組状況等

1.高付加価値ジェネリック医薬品のいち早い開発と確実な上市
競合が多いジェネリック医薬品業界において競争に打ち勝つためには、他社品目との差別化が重要であり、また、特許切れ後に一番手で上市することが患者さんのニーズに応えることにもなります。特許・技術・コスト・効率化等の諸課題に挑戦し、高付加価値ジェネリック医薬品の開発と確実な一番手上市を目指してまいります。
2.安定供給の維持・確保
治療を必要とする患者さんの元に高品質な医薬品を安定的に供給することは、医薬品メーカーにとって最も重要な使命の一つです。世界中から高品質な原材料の確保、適宜適切かつ継続的な設備投資、厳格な基準による製造管理・品質管理を行うとともに、的確な需要予測と適正在庫の確保を行うことを通じて、安定供給の維持・向上を図り、ジェネリック医薬品の需要増に対応してまいります。また、災害時にも安定供給を維持できるよう策定したBCP(事業継続計画)に基づき、原材料の複数ソース化、生産機械の共通化、代替要員の確保、人財の多能職化並びに工場間の人財交流及び技術の標準化等に取り組んでまいります。
3.信頼性の向上
「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」に対応した品質確保、市販後安全対策への対応は当然のことであります。更なる信頼性向上を目指し、より高いレベルに設定した自主品質基準の遵守、国内及び海外の製造工場の査察、医薬品リスク管理への対応、並びに医薬品医療機器等法等の遵守体制の強化を図ってまいります。
4.情報提供の充実
医薬品は、正確な情報を伴ってはじめて患者さんの治療目的が達成されるものであります。MRの活動のみならず、ウェブやコールセンターが融合したマルチプロモーションシステムの構築による情報提供力の充実・強化を図ります。正確な効能・効果、用法・用量、副作用、品質や付加価値といった医薬品情報のほか有用な情報を医療関係者に迅速かつ確実に提供し、顧客満足度の向上に努めてまいります。
5.マーケティング機能の充実
競争優位を確立するためには、マーケット分析に基づいた的確な開発品目の選定、ターゲティングの明確化によるMRの生産性の向上が不可欠であります。マーケティング機能の充実と薬価改定等による競争環境の変化を踏まえた営業戦略の見直しを図ってまいります。
6.企業体質・経営管理の強化
企業理念の浸透、コンプライアンス委員会の活動強化、リスク管理の充実、内部統制の整備・拡充といったコーポレート・ガバナンスの強化とCSR(企業の社会的な責任)への取組みを図ってまいります。また、環境変化に的確に対応できるよう意思決定や事業展開のスピードを追求するとともに、コスト削減や業務の効率化、業容拡大に伴う経営基盤の整備・強化、会社の成長を支える人財の育成、ダイバーシティへの取組みといった企業体質及び経営管理の強化に取り組んでまいります。
7.新規事業基盤の構築・強化
当社グループが中長期ビジョンの達成を目指すにあたり、また、将来にわたって持続的成長を遂げていくためには、既存のジェネリック医薬品事業以外の新規領域への展開をも図っていく必要があります。当社は2017年5月にUpsher-Smith Laboratories, LLC(以下、「USL」という。)を買収し、米国ジェネリック医薬品市場における基盤を獲得しましたが、当社グループの企業価値向上に寄与させるべく、早期のシナジー発揮・実現に向け取り組んでまいります。

(3) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

1.基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的に確保、向上していくことを可能とするものである必要があると考えています。
当社は、1948年の設立以来、「なによりも患者さんのために」という企業理念に基づく医薬品事業を推進し、健康生活を願う国民の皆様の期待に応えるため、経済性に優れた高品質の医薬品の製造販売を続けることにより、ジェネリック医薬品メーカーとしての社会的責任を果たしてまいりました。
当社の企業価値の源泉は、ジェネリック医薬品メーカーにとって最も重要とされる3つの要素「品質」、「安定供給」、「情報提供」において、他の追随を許さないレベルを維持する経営ノウハウであると考えており、医療機関・流通各社からも最高レベルの定評をいただき、毎年多品目の新製品を上市し販売しております。
当社は、当社株式の大規模買付等であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行なわれるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大規模買付等の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大規模買付等の行為について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資するものとは認められないものも少なくありません。当社株式の買付を行う者が上記の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社としては、当社株式の大規模買付等を行おうとする者が現れた場合には、当該大規模買付者に対して積極的に情報提供を求め、当社取締役会の意見及び理由をすみやかに開示し、株主の皆様が適切に判断できるよう努めるとともに、必要に応じて会社法その他関係法令の許容する範囲内において適切な措置を講じてまいります。
2.基本方針実現のための取組み
当社は、上記の基本方針実現のために、次の3点に取り組んでまいります。
a. 中期経営計画及び中長期ビジョンの達成
2018年度から始まる3年間の中期経営計画として策定した中期経営計画「M1 TRUST 2021」及び中長期ビジョンに掲げた諸施策を確実に実施することで企業価値の向上を図ります。

Ⅰ.中長期ビジョン

国内GE市場での圧倒的地位の確立とUSLの成長加速による世界をリードするジェネリック医薬品企業への変革

Ⅱ.中期経営計画「M1 TRUST 2021」の基本方針と重点施策

1.日本市場  業界構造の変化に対応できる体制構築とコスト競争力強化
  • (1)安定供給・高品質の継続とコスト競争力の両立
  • (2)ジェネリック80%時代に即した製品開発・営業体制への転換
  • (3)積極的なアライアンス強化による効率性の追求
2.米国市場  USLと双方の強みを活かした連携
  • (1)米国製品ラインナップの拡充・知財戦略の強化
  • (2)パラグラフⅣ申請品の開発継続
  • (3)USLの独自色を活かした成長戦略の実現
b. コーポレート・ガバナンス体制のさらなる強化
外部環境の変化に適切かつ迅速に対応する意思決定と業務執行のできる経営体制を構築するとともに、公正さと透明性の高い経営を実現していくために、次の項目の充実を図ります。
  • Ⅰ.株主の権利・平等性の確保
  • Ⅱ.株主以外のステークホルダーとの適切な協働
  • Ⅲ.適切な情報開示と透明性の確保
  • Ⅳ.取締役会等の責務
  • Ⅴ.株主との対話
c. 株主還元
将来の企業価値向上に資する研究開発や設備投資など新たな成長につながる投資と株主還元のバランスに配慮するとともに、毎期の連結業績、配当性向、その他の株主還元策等を総合的に勘案しながら、配当性向30%を目処に、安定的かつ継続的な配当を行うことを株主還元の基本とし、株主共同の利益の継続的確保・向上を図ります。

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