立川らく朝の健康サプリ

第8回

今、お話し中

我々落語家にとって一番困るのが、落語会の真っ最中に客席で携帯電話が鳴ること。またよくあるんだ、こういうことって。

この前もそう、人情噺の終盤、一番の聞かせどころだというのに客席で携帯の着メロが鳴りだした。そのメロディーがなんと、「蛍の光」。観客がいそいそと帰り支度を始めちゃう。

「あの、落語まだ終わってないんですけど」

なんて、間抜けなことを言わなくてはならないのが情けない。携帯電話にはいつも酷い目にあっております。

でもね、これからお話するのは落語家の災難ではなくて、携帯を利用しているあなた自身の、ぞっとするようなお話なんです。それはナニかというと、携帯電話を使っていると脳腫瘍のリスクが増大するという、とても恐ろしいデータが発表されているんです。これはちょっと気になりますよ。

スウェーデンにあるオレブロ大学病院の研究チームが、16件の様々な研究を集めて分析しました。その結果、10年以上携帯電話を使っている人は、携帯電話を使用していない人に比べると、聴神経腫瘍のリスクが2.4倍になることを報告したのです。

聴神経腫瘍というのは脳の中の聴神経(耳で感じた音を脳に伝えたり、平衡感覚を司る神経)にできる腫瘍ですが、悪性ではなくて良性の腫瘍です。しかし聴力低下やめまいなどを起こしてくるやっかいな腫瘍で、治療法は多くの場合手術です。つまり脳にメスを入れなくてはならないのですから、良性だからといって安心はできませんよね。

さらに、悪性の脳腫瘍である神経膠腫についても、携帯電話を長時間(累積で1640〜2000時間)使用すると、発症リスクが3倍以上になるという報告もあるんですよ。しかも不気味なことに、いつも当てている側の方が、脳腫瘍が発生しやすいんですって。右でも左でも、いつも同じ側で携帯電話を使っていると、それだけたくさんの電磁波にさらされることになるからなのだそうです。

だからといって、携帯電話が脳腫瘍を作ることが証明されたわけではありません。しかし全世界のあちこちの国で、「携帯電話の電磁波には気をつけよう」という勧告が出されています。とくに成長段階の子供に毎日携帯を使わせることには、専門家はおおいに危機感を持っているようです。

とは言うけどこのビジネス社会、どうしても携帯で話さなくてはならない人って多いですよ。これからは、携帯で話す時にはせめてイヤホンを使う方が良いのかもしれません。

少なくとも電磁波の影響を受けないように、本体はできるだけ身体から離して持ち歩くのが理想的。寝る時も、携帯はできるだけ頭の位置から遠く離して置くよう推奨されているくらいです。

こうなったら街中でも、携帯を長い長い自撮り棒の先にくっ付けて、長い長いイヤホンを耳に付けて、この棒を担ぎがら話す・・・ちょっと異様な姿ですよね。道行く人がそれを見て「ナニやってんの」「うん、今、お離し中」・・・シャレにもなんないか。