カラダの豆事典

病気予防の切り札「健康費」。 トクする経済効果を検証

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「健康は最大の節約」と言います。今回は、いつまでも健康でいるための「健康費」の大切さについて、家計・医療費を考慮した健康管理に詳しい京都大学経済研究所の古川雅一さんにお話を伺いました。

病気になると「出費増」と「収入減」でこれだけ損する!

「病気になるとお金がかかる」と漠然と不安になっている方が多いと思います。では、その内訳はどのようになっているのでしょうか。

病気になると、医療費だけではなく、病院への交通費、特別な食事のための費用、リハビリ機器の購入などの出費も考えられます。 一方、病気になると収入が激減するという損失もあります。また、本人以外の看病をする家族も仕事を休むなどで収入が減ります。

こうした「出費増」と「収入減」でどのぐらいの損になるのか、具体的にシミュレーションしたのが下の図です。

60歳で糖尿病と診断された場合の損失

これは、年収660万円の男性が、60歳で糖尿病と診断され、療養などのため年収560万円にダウン、65歳での退職後は高血圧、高脂血症でも通院治療、77歳で心筋梗塞を発症した場合の、60歳から79歳までの損失を表したものです。医療費などの出費増と収入減で、合計845万円の損になります。(厚生労働省、医療経済研究機構、内閣府のデータをもとに算出)

この数字を見れば、健康管理に力を注ぐことがいかに家計のためになるか、おわかりいただけるのではないでしょうか。

生涯でかかる総医療費のうち約半分が70歳以降に

一方、意外と知られていないのが、生涯にかかる総医療費の約半分が70歳以降であること(厚生労働省「平成11年版 厚生白書」)。50代、60代では、生涯総医療費のまだ半分も使っていないのです。

一生涯にかかる総医療費

定年後は収入がなくなり、年金だけの生活になるため、保険制度があっても医療費での出費に恐怖を感じるものです。 収入のある現役時代に、一応最悪のシナリオを考え、その最悪のシナリオにならないように健康を維持、増進させたいものです。

健康管理は、現役時代からスタートすれば生涯の総医療費を削減でき、ゆとりのある老後を送ることができるのです。 そのためにも、毎月の「健康費」を確保することが必要になります。

「健康費」で病気の予防を。情報収集も予防の一種

病気予防には1次予防から3次予防まであります。

1次予防 健康増進・健康保護・疾病予防
病気になる前の健康管理。個人の生活スタイルの改善を通した健康増進。環境における危険因子の削減を目指す健康保護。病気の発生の予防を目指す疾病予防。
2次予防 疾病の発見・リスクの発見
健診などで病気やそのリスクを発見すること。
3次予防 リハビリ、早期回復を目指す
リハビリテーションなど、合併症と身体障害を防ぎ早期快復を目指す。

これら病気予防のためにかけるお金が「健康費」です。多くの人にとっては1次予防のための費用が健康費になりますが、生活習慣病のリスクが高くなる年代では2次予防も重要になります。

「健康費」には、運動のためにかかるスポーツジム費や、ウォーキング用のシューズなど、目に見えるお金もありますが、健康についての情報を集めるためのインターネット代や書籍代、健康にいい食事を考えるなど、健康維持・増進のための勉強にかけるお金や時間、労力も「健康費」と考えましょう。 健康についての知識の豊富な人ほど、より健康であるという研究報告もあります。

健康管理に力を注ぐことは、個人の家計のためにもなりますが、人々が不健康になることは、地域の活性の低下、社会全般の労働・生産性の低下につながることも考えられます。よりよい人生とよりよい社会のために、健康問題は大きな位置を占めることを再認識したいですね。

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