カラダの豆事典

快適睡眠で アンチエイジング

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加齢とともに睡眠時間は短くなりますが、だからこそ質のよい睡眠が、健康と美容のためには欠かせません。今回は、最先端の睡眠医療に詳しいスリープクリニック調布院長の遠藤拓郎先生に、質のよい睡眠をとるために今夜からできるコツを伺いました。

睡眠のメカニズムを知って、寝ている間にダイエット!

睡眠中の体内ではさまざまなホルモンが活動して、体のメンテナンスをしてくれます。まずは、深い眠りであるノンレム睡眠中に分泌される成長ホルモン。これは壊れたり、古くなったりした細胞を再生する働きがあります。お酒を飲んで代謝に使われた肝臓の細胞も再生するなど、あらゆる体の新陳代謝を活発にするのです。

一方、コルチゾールというホルモンは、浅い眠りであるレム睡眠中に分泌され、寝ている間のエネルギー供給のために、脂肪を燃やす働きがあります。だから睡眠不足が続くと肥満になりやすいのです。コルチゾールのもうひとつの働きは、肝臓にあるグリコーゲンを分解してブドウ糖にして、血糖値をあげることです。朝起きて、すぐに活動できるのも、このコルチゾールのおかげなのです。

また、睡眠時間が短いと、食欲を抑制するレプチンというホルモンが出にくくなったり、朝のインスリン分泌が悪くなって糖尿病をはじめとした生活習慣病のリスクが高くなります。さらに睡眠中に呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群のリスクも高まると言われています。

さまざまなホルモンがしっかり働くためには、質のいい睡眠をとることが必要なのです。

睡眠中のメカニズム

眠りについてから3時間の深い眠り(ノンレム睡眠)では、成長ホルモンが出る。3時間以降の浅い眠り(レム睡眠)ではコルチゾールが出る。
この図から、レム睡眠もノンレム睡眠も必要であることが分かる。

また、体温は寝ている間は起きているときより1度ほど低くなる。この落差が大きいほど深い眠りが得られる。

※ここでいう体温は深部体温のことで、体の中の体温を指す。

加齢が不眠の原因?7時間睡眠を目標にしましょう

不眠の主な原因は加齢であるといわれるぐらい、30歳すぎてから徐々に深い眠りが得られにくくなり、60歳以降で不眠を訴える人が多くなります。

原因としては、
(1)日中の消費するエネルギーが少なくなり、必要とされる睡眠量が減る 
(2)加齢に伴って1日の最高体温が低くなることにより、睡眠時間のうち体温を下げるために要する時間が短くなる
(3)睡眠を促す働きのあるメラトニンの分泌が減り、眠りに入りにくくなる
などがあげられます。

ほかにも、間接的な原因としては、
(1)頻尿で中途覚醒をする
(2)関節痛など痛みを伴う持病がある
(3)昼寝のしすぎ
(4)寝室の環境が悪い
(5)眠りに影響する薬を服用している
などがあります。

このように加齢とともに、質のよい睡眠を得られにくい原因は多くなります。しかし、睡眠の質は環境づくりや生活習慣によって、高めることができます。

アメリカの調査では、7時間くらい寝ている人は健康で体に負担がなく、6年後に生きている可能性が高いというデータがあります。眠っている7時間というのも、午前0時から6時という、ホルモン分泌が盛んな時間帯を中心にした方がより効果的です。

歳をとると深く眠れない

深い睡眠(ノンレム睡眠)にはレベル1~4まであり、4が一番深い睡眠。
30歳を過ぎた成年期からレベル4の深い睡眠は減少し、老年期ではほとんどなくなる。
少しでも深い睡眠がとれるように生活を改善することが必要になる。

快適睡眠を得るためのキーワードは 「体温」だった

人間は日中活動している間は体温が高く、夜、体温が下がると眠くなります。この体温低下の幅が大きいほど眠気が強くなり、寝つきがよくなって、深く眠ることができ、中途覚醒もありません。

眠りに就く前に体温を上げておくと、脳は体温を下げようと指令を出すため、深い睡眠を得られます。体温を下げるためには体中の血液を冷やす必要がありますが、この役割は手足が行います。手足の表面に熱い血液が流れてきて、汗をかくことにより、体から気化熱を奪って血液を冷やし、体温を下げるのです。

ちなみに冷え性の人は体温が高くても手足が冷たく、手足からの放熱ができず体温を下げにくいので、夏でも手袋や靴下をはくことで、放熱を促し、体温を下げやすくなります。

質のよい睡眠をとるために 眠る3時間前からできること

3時間前まで:辛くて温かい食事
夕飯は辛くて熱い献立にする。夏でも鍋ものがおすすめです。熱いものを食べれば単純に体温が上がります。また辛いものとしては唐辛子がよいでしょう。唐辛子の成分であるカプサイシンは急激に体温を上げて、そのあとにぐっと下げる働きがあります。
2時間前:適度な運動
食後の運動をかねて、近所をウォーキングしたりヨガやストレッチなど、自分に合った運動をして体温を上げます。
1時間前:入浴
寝る前の入浴(38~40℃のぬるめのお湯にゆっくりと10~20分)でさらに体温を上げます。入浴は体温を上げるだけでなく、リラックスすることにより副交感神経を優位にして、体を休息モードにスイッチしてくれます。 このとき、体を温める効果のある入浴剤などを加えれば、よりよい眠りが得られるでしょう。
床に就く前:ホットミルクなど温かいものを飲む
食事や入浴でせっかく体温を上げても、風呂上がりに冷たいビールなどを飲んでしまっては体温を下げてしまいます。体温を下げてしまうと、入眠に必要な温度差をつけにくくなるため、眠りにくくなります。
床に就いてから:眠りを誘うリラックスミュージックを流す
リラックスミュージック

音楽を聴くことで脳波をα波優位の状態にして、心身ともにリラックスします。
睡眠実験を重ねて曲順を決めた快眠CD「Dreams」「Dreams II」。
各¥2,600/ハッツ・アンリミテッド
監修/遠藤拓郎

いびきにご注意!

いびきといえば男性に多いと思われがちですが、更年期以降の女性にも多くなります。
いびきはのどの通りが悪くなって出てくるもの。ひどくなると睡眠時無呼吸症候群になります。いびきや睡眠時無呼吸症候群などが原因で睡眠障害などになると、日中の注意力散漫や覚醒障害などを引き起こし、さらに睡眠中に酸素不足になることによって、高血圧や肺性心合併症の原因にもなります。
いびきぐらいと放置せず、ひどい場合は専門医に相談するなど早めに対処しましょう。

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