カラダの豆事典

「異常なし」でも要注意?!健康診断

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年1回の健康診断。結果が「異常なし」だとホッとしますね。でも、基準値内でも注意が必要なことがあるのです。健康診断の数値からわかる病気の可能性を、南池袋クリニック院長の千村晃先生に解説してもらいました。

「数値が高い」だけでなく「低すぎ」も要注意

血液検査や尿検査でわかる、さまざまなデータ。健康診断の結果は今の健康状態を知る大きな手掛かりになります。基準値より高い場合や低い場合は、「要再検査」「要精密検査」となり、基準値内であれば「異常なし」と判定されます。
一般に、数値は高いと危険、低ければ低いほど健康と思っている人が多いようですが、そうではないことに注意が必要です。
例えば、コレステロール。悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロールにも、必要なコレステロールを全身に届ける役割があります。また、ヘモグロビン値が低いのは鉄分不足、ALP値が低いのは亜鉛不足など、必要な栄養が不足しているサインであることも。高い数値だけでなく、低すぎる数値にも注意しましょう。

基準値内でも不調の原因が読み取れる場合も

睡眠や食事などの生活習慣を整えても、体の不調が改善されない……そんな人は、検査数値を見直してみましょう。基準値内であっても、低い方や高い方ではありませんか? 基準値の下限、あるいは上限に近い場合は、何らかの不調を引き起こしている場合があるのです。
総合診断結果「A」の下記の人の場合で見てみましょう。

※基準値は検査機関により数値が異なります

  1. チェック1 総コレステロール

    高いとNGとされる「総コレステロール」ですが、低すぎると自殺率が上がったり、攻撃的な言動や精神不安定に結びつくという報告もあります。またホルモンの原料に必要なので、低いと全身の働きが悪くなることも。

  2. チェック2 LDLコレステロール

    LDLコレステロール(悪玉コレステロール)も、低すぎる場合は病気が隠れている可能性も。「甲状腺機能亢進症」ではLDLコレステロールを過剰に消費するため、不足傾向に。また、「肝硬変」や「肝炎」など肝臓の病気の場合も、LDLコレステロールが産生されず数値が低下します。

  3. チェック3 中性脂肪

    中性脂肪は体のエネルギー源。数値が高いともちろん肥満状態を表しますが、低すぎると元気がなくなることに。正常値内でも数値が低く、疲れやすい、体力がないと感じている人は、中性脂肪不足かも。

  4. チェック4 血糖値

    健康診断で測るのは「空腹時血糖値」。初期の糖尿病では空腹時血糖値が基準値に収まる場合も多いため、基準値内でも高めの人は、食後の血糖値を測ってみましょう。食後血糖値が急上昇するなら糖尿病予備軍です。

  5. チェック5 HbA1c

    HbA1cは糖尿病かどうかがわかる数値。基準値内でも、高い人は血糖が慢性的に高めの傾向があります。この場合、「糖化」といわれる現象が全身で起きている可能性が。糖化は肌老化の原因にもなります。

  6. チェック6 総蛋白

    タンパク質は体のあらゆる部位をつくる成分。基準値内であっても「総蛋白」が低い場合は、栄養不足になっている可能性が。食生活を見直してみましょう。

  7. チェック7 AST/ALT

    肝機能の指標「AST」と「ALT」は、いずれもビタミンB6と結びつくことで酵素として働く体内成分。ALTのほうがASTより3以上低いなら、疲労の原因となるB6不足の可能性があります。

  8. チェック8 γ-GTP

    お酒を飲む人が気にする数値ですが、低い場合はタンパク質摂取不足による「低タンパク」の指標にも。低タンパクは、やる気が出ない、疲れやすい、むくみやすいといった不調の原因になることがあります。

  9. チェック9 ヘモグロビン

    「ヘモグロビン」は、貧血の指標で、同時に鉄分量を間接的に表す値。疲れやすいのは鉄分不足が原因かもしれません。また、鉄分不足の時に使われる「フェリチン」という貯蔵鉄が減少すると、うつ状態などの不調を引き起こすことも。ヘモグロビン値が低い人は、フェリチンも不足している可能性が大。

  10. チェック10 尿酸

    「尿酸」が高いと痛風になることは知られていますが、尿酸には活性酸素を消す働きがあります。数値が低い人は「酸化ストレス」が強く、サビが進んだ体である可能性が。酸化は老化の最大要因なので要注意です。

気になるポイントは食生活でフォローを

健康診断の結果数値は、不足している栄養素を示していることが多いもの。数値に問題があった場合は、食生活に気を付けてみましょう。バランスのいい食事を心がけるのはもちろん、数値に関連した不足栄養素を意識的に摂るとよいでしょう。

  • ●総コレステロールが低い⇒卵やレバーなどコレステロールの豊富な食品を摂る
  • ●中性脂肪が低い⇒炭水化物を摂る
  • ●HbA1cが高い⇒甘いものを控え、たんぱく質や野菜などを十分に摂る
  • ●総蛋白質、γ-GTPが低い⇒たんぱく質を摂る
  • ●AST/ALTの差が大きい⇒ビタミンB6を摂る
    〈ビタミンB6が豊富な食材〉赤身の魚、青魚、レバー、バナナなど

  • ●ヘモグロビンが低い⇒鉄分を摂る
    〈鉄分が豊富な食材〉レバー、赤身の魚、あさり・しじみ、小松菜など

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