カラダの豆事典

ヘルパンギーナとプール熱

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子供がかかりやすい夏風邪の代表が「ヘルパンギーナ」と「プール熱」です。通常は安静にしていれば回復しますが、水分補給など適切な処置を行わなければ悪化する可能性があります。この2つの夏風邪の違いや、対処法などを、世田谷子どもクリニック院長の副田(そえだ)敦裕先生に伺いました。

原因と症状

子供がかかる2大夏風邪

夏場になると、ヘルパンギーナやプール熱(咽頭結膜熱)に感染する子供が増えてきます。どちらもウイルスによる感染症で、夏に多くみられ、のどの痛みや発熱など、風邪と似たような症状があらわれることから、いわゆる“夏風邪”としても知られています。いずれの病気も予後は良好なことが多いのですが、まれに重症化することもあるので油断は禁物です。

●ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナは、毎年5月から8月頃にかけて流行します。原因の多くは、「エンテロウイルス」と呼ばれるウイルスです。そのエンテロウイルスの中でも、「コクサッキーウイルスA群」による感染が最も多く見られます。咳やくしゃみなどによる飛沫感染や、唾液などがついたおもちゃや手指などからの接触感染で罹患します。主な症状としては「発熱」のほか、「のどの奥に水泡ができて赤く腫れ、強い痛みが出る」などがあげられます。わずかなケースですが、重症化し、髄膜炎や心筋炎を起こすことがあるので注意が必要です。

●プール熱

プール熱は「咽頭結膜熱」とも呼ばれる病気で、1年を通じてかかる病気ですが、6月頃から増え始め、7〜8月にピークを迎えます。プール熱は、「アデノウイルス」に感染することによって発症します。感染経路は咳やくしゃみなどによる飛沫感染、タオルの共有や手指を介した接触感染です。プールでも塩素濃度が不十分な場合は感染することがあり、目の結膜からウイルスが侵入することがあります。プールの水を介して流行することがあるため、プール熱と呼ばれています。代表的な症状は「高熱」や「咽頭炎による喉の痛み」、「目が赤くなる結膜炎」の3つです。

治療法とセルフケア

放置すると重症化することも

ヘルパンギーナもプール熱も特効薬はありませんが、予後が良好な病気です。しかし、放置すると感染が広まったり、ときには重症化することもあります。子供に発熱やのどの痛みなどの症状があらわれ、つらそうなときは、なるべく早めに医療機関で診察を受けてください。

家庭では水分補給が大事

ヘルパンギーナの原因のエンテロウイルス、プール熱の原因のアデノウイルス、ともに特効薬はなく、どちらも対症療法が中心となります。方法としては、解熱剤で熱を一時的に下げたり、脱水症状を防ぐために経口補水液などで水分補給を行います。ヘルパンギーナは、通常、1週間程度で治癒します。プール熱も、おおよそ1〜2週間で回復します。プール熱で結膜炎の症状が強い場合は、目薬が処方されます。どちらの場合も、発熱やのどの痛みで飲食がつらいこともあるので、薄味でのど越しのよいものを摂るほうがよいでしょう。。また安静を心がけ、水分補給をしっかり行ってください。症状が重い場合は、点滴や入院などの治療が必要になることがあります。

いずれの病気も予防が第一

ヘルパンギーナもプール熱もワクチンがないため、予防が第一です。感染者との接触を避けることに加え、うがいや手洗いをしっかり行いましょう。手洗いをするときは、流水でしっかり洗い流すことが感染を防ぐポイントです。また、タオルや箸などの共有を避け、感染者が触れたものはよく洗い流し、消毒してください。

登園・登校のタイミング

いつ子供を登園・登校させるかの目安は、ヘルパンギーナは明確な規定はなく、熱が下がり、子供の回復を見て判断されます。プール熱は学校保健法で、治癒後の登園・登校の時期が規定されています。発熱などの主な症状が治癒した後、2日たてば登園・登校が可能です。いずれの病気の場合も判断は医師と相談してください。

(参考文献)

1.「子供の感染症ハンドブック 第2版」編集:脇口宏/医学書院

2.「イラストを見せながら説明する子どもの病気とその診かた」順天堂大学名誉教授
金子堅一郎 編/南山堂

3. 「ナースのための小児感染症ー予防と対策」国立成育医療研究センター 編/中山書店

4.「こどもの病気の地図帳」鴨下重彦・柳澤正義 監/講談社

5.「国立感染症研究所」ホームページ
https://www.niid.go.jp
6.「国立感染症研究所」ヘプパンギーナのサイト
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ha/herpangina/392-encyclopedia/515-herpangina.html
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