差がつく医療のハナシ

骨の健康を維持し、元気な老後を目指そう

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  • 樽井(だるい)さん

    最近、骨粗しょう症という言葉を聞くようになったと思うのですが、骨がスポンジの様になるって、怖いですよね。気づかないうちに骨折することもあるとか。
  • 健谷(すこや)課長

    骨粗しょう症は、加齢が原因で起こることが多く、日本のような超高齢化社会では、患者さんが増えているのです。ここ数年、骨粗しょう症に対するお薬ができたことや、健康診断の項目に「節目検診」として加わったことなどにより、広く知られるようになってきました。

アナタの骨は大丈夫?骨の強さを作る仕組み

骨粗しょう症は、正確な患者数を導き出すことが難しい疾患です。その理由は、無症状(自覚症状が無い)状態で進行すること、実際に骨折後に検査をして初めて「骨粗しょう症」であると診断される人が非常に多いことが挙げられます。若い頃よりも身長が縮んだ、背中が曲がってきた、背中や腰の痛みが強いという方は、すでに骨粗しょう症になっているかもしれません。
骨は常に、骨形成(新しい骨を作ること)と骨吸収(古くなった骨を壊すこと)を繰り返しています(骨のリモデリング)。

しかし、ある程度の年齢になると骨形成と骨吸収のバランスがくずれ、骨吸収が進んでしまい、骨全体がもろくなっていきます。

特に女性は、一定の年齢になると閉経を迎えますが、それと同時に骨を作るために必要な「エストロゲン」と呼ばれる女性ホルモンの働きが悪くなり、徐々に骨がもろくなってきます。50代後半からは骨粗しょう症の有病率が増加し、60歳代女性の約30%が、80歳代になると女性の60%以上が骨粗しょう症になるといわれています。
男性の体内にも、「エストロゲン」があります。男性は女性ほど顕著ではありませんが、やはり加齢とともにエストロゲンや、「テストステロン」などの男性ホルモンなどが減少してきますので、70歳代くらいになると骨粗しょう症による骨折を起こしやすくなります。
日本人は高齢人口が増えているため、骨粗しょう症の患者さんも増えています。骨がもろくなると、ちょっとしたことで骨折することがあります。特に、足の付け根や背骨の骨折が起こると、高齢になるほど寝たきりになりやすく、認知症が悪化することもあります。
そうならないためには、30代、40代などの若い頃から「丈夫な骨を維持する」ことがとても大切なのです。

骨を強く丈夫にする方法とは?

骨粗しょう症そのものには自覚症状が無く、「最近調子が悪いから気をつけよう」という対応がとれません。では、どうすれば骨粗しょう症を予防できるのでしょうか。
骨はバランスの良い食事から作られます。カルシウム、ビタミンD、ビタミンKや、タンパク質を意識的に摂ると良いでしょう。
また、骨は適度な刺激を与えることで、だんだん強くなっていきます。生活習慣の変化や加齢とともに、運動習慣は減りがちですが、毎日の散歩や、通勤・通学で1駅分歩くなど、意識的に運動を続けていくことが必要です。
骨粗しょう症は、骨密度の検査により早めに発見することもできます。定期的に検査を受け、今の自分の骨の状態を知っておくことも、骨粗しょう症の進行を食い止めることに役立ちます。もし、家族に50歳代以上の方がいる場合は、受診して検査を受けることをお勧めします。
また、骨粗しょう症は、男性よりも女性の方が多いといわれていますが「男性だから大丈夫」ということはありません。ホルモンバランスの変化以外にも、骨がもろくなる原因には、加齢や食習慣、運動習慣、他の疾患や薬剤なども関係しますから、男性でもバランスの良い食事や、適度な運動を続けることが必要です。

治療法により、大きな差が出る治療費

骨粗しょう症がある程度進行すると、お薬での治療が必要です。治療薬には、
●カルシウムの吸収を助け骨のリモデリングを調整する活性型ビタミンD3製剤
●骨からカルシウムが溶け出すのを抑えるエストロゲン製剤
●骨吸収を抑え、骨量を増やすビスホスホネート製剤
●閉経後の女性に対し骨密度増加、骨の代謝抑制、骨折頻度抑制などの効果が期待される選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)製剤
など複数の種類があります。男性の場合は、この中でもビスホスホネート製剤による治療が有効だといわれています。
服用の頻度やお薬の費用は、お薬によって変わります。例えば、閉経後の女性が適応となるSERM製剤は、1か月あたり3,000円以上、3割負担で1,000円くらいかかります。
しかしジェネリック医薬品を使用した場合は、費用はおよそ1/2になります。

骨粗しょう症のお薬は「いつまで服用すれば良い」という目標が立てにくいため、数年以上に渡って服用し続ける必要があります。お薬の種類によっては、1日1回の内服で良いもの、1か月に1回の注射が必要なものなどがあり、お薬の価格もまちまちです。
また、骨がとてももろくなってから治療を始めるよりも、比較的軽度のうちに治療を始める方が、お薬の効果が期待でき、気づかないうちに起こる骨折を予防できる可能性があります。

  • 骨の健康は、老後の生活を大きく変えるかもしれないのですね。食生活や生活習慣によっては、男性も骨粗しょう症になるとは驚きました。私も今から気を付けないと……
  • そう、その意識が今回の差がつくポイント!
    これで明日もすこやか、すこやか!

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