差がつく医療のハナシ

糖尿病にもあるジェネリック医薬品

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  • 樽井(だるい)さん

    生活習慣病の代表格でもある糖尿病ですが、怖いのは合併症というのは本当でしょうか。慢性疾患ですから、一度発症したらずっと付き合っていく病気だとは思うのですが……。
  • 健谷(すこや)課長

    糖尿病には、さまざまな合併症があります。一番大切なのは合併症を起こさないこと、つまり早期のうちから、きちんと糖尿病を治療していくことなのです。

糖尿病は万病の元、合併症は避けられない?

糖尿病を長く患っていると、さまざまな合併症を起こしやすい状態が続いていることになります。糖尿病の進行速度には個人差がありますが、発症からおよそ10~20年で、糖尿病神経障害、糖尿網膜症、糖尿病腎症などの三大合併症を発症する人が増えます。
糖尿病合併症の中で、特に高額な医療費を必要とするのが、糖尿病腎症に対する、人工透析です。人工透析を受ける人のうち、およそ4割近くは糖尿病の患者さんだといわれています。

人工透析は、年間に400~500万円の医療費がかかります。適切な糖尿病治療を続けていないと、最初に糖尿病と診断されてから早くて10年程度、遅くても20~30年程度で、人工透析が必要な状態になります。つまり、糖尿病と診断された早期の頃から、食事や運動に気を配り、必要に応じて適切な薬物療法を続けていく必要があるのです。

糖尿病の治療法、大きくは3つ

糖尿病治療には大きく3つ、食事療法、運動療法、薬物療法があります。
食事療法は、その人の身長から求められる標準体重と、日常的な身体活動量で求められる1日の必要カロリーに従い、食事改善をしていく療法です。糖尿病患者さんの生活習慣改善の基本となる療法です。
運動療法は、食後に適度な運動をすることで食後の高血糖を抑え、血糖コントロールを行う療法です。また、運動を続けることでインスリンへの反応を良くする目的もあり、糖尿病患者さんが日常的に行う療法です。
そして3つめは薬物療法ですが、これは前述の2つの療法とは趣旨が異なります。
Ⅱ型糖尿病は慢性疾患であり、薬物療法に移行した後は、長期にわたって薬物療法を継続する必要があります。医療費がかかる慢性疾患の代表格であり、重症化するとさらなる投薬や治療を必要とし、より多くの医療費がかかります。個人の負担だけではなく、医療経済的な側面からも、国民的な問題となっています。

薬物治療を続けていくポイントは

薬物療法は医療費が継続的にかかります。どの様なお薬を使用するかは、病状によって変わります。どのお薬でも、1錠あたりは数円~数十円程度ですが、1日3回、毎日服用するとなると、1か月あたり、1年あたりの金額は大きくなります。そこで注目したいのが、ジェネリック医薬品です。

ジェネリック医薬品は、先発医薬品と有効成分の成分量や、投与経路が同一で、先発医薬品と同等の治療効果が得られるお薬です。治療効果が同等であるにもかかわらず、安価で販売されることが特徴です。先発医薬品とジェネリック医薬品を比べてみるとお薬の種類にもよりますが、多くのお薬で1錠8~10円以上の差があります。仮に、食後過血糖改善薬の2つのお薬で、費用を算出してみました(図1)。

1日当たりの差額では分かりにくいのですが、1か月、1年と続ければ、その差額は大きくなっていきます。もちろん、どのようなお薬を使用するかは病状によりますし、同じお薬をずっと飲み続けるわけではありません。しかし、場合によっては年間で1万円前後、差が出てくることがあります。これは、経済的な負担として大きなものではないでしょうか。糖尿病は、症状により複数のお薬を使用することが多くなります。そのうちの一剤でもジェネリック医薬品に変えることで、経済的な負担が大きく変わってきます。

また糖尿病が進行すると、インスリン注射による治療が必要になります。インスリン製剤はバイオ医薬品の一種ですが、最近では価格の安い「バイオシミラー」と呼ばれる種類のお薬が、発売されています。
インスリンは現在、ジェネリック医薬品の種類が少ないため、経口の薬剤のうちからジェネリック医薬品に切り替えることで、医療費負担を軽減できる可能性があります。

  • 合併症を少しでも先送りにできるよう、きちんと治療を受けなくてはいけませんね。でも、一生付き合う病気なら、経済的負担も考えて治療を続けたいですよね。
  • そう、その意識が今回の差がつくポイント!
    これで明日もすこやか、すこやか。

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