差がつく医療のハナシ

ちょっと気になる?日本人の胃腸事情

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  • 樽井(だるい)さん

    昨日、同じ課の源木さんが、「最近、忙しいせいか、胃腸の調子が良くない」と言っていました。胃腸って、仕事が忙しいとか、ストレスがたまるとか、ちょっとしたことで「不調」が起こるような気がします。
  • 健谷(すこや)課長

    食は人が生きるために必要な行動ですが、それを消化し体の栄養に変えていく「胃腸」は、健康のバロメーターと称されることがあります。現在の日本では、胃腸の不調や病気は増えているのでしょうか。色々なデータから「日本人の胃腸事情」を見ていきましょう。

胃腸の病気は増えてる?減ってる?

胃腸の病気は現在増えているのか減っているのか。まずは、胃腸に関連した疾患による死亡者数をみてみます。

厚生労働省のデータによると、平成27年の死亡者数は 129 万 428 人。その死因の第一位は悪性新生物(がんや肉腫など)によるもので、37 万 131 人が亡くなっており、これは全死亡者の28.7%です。さらに、悪性新生物の部位別死亡数では、男性30,797人、女性15,862人が胃がんで亡くなっています。しかし、年次推移でみると、男女ともに大腸がんや肺がんで亡くなる人は増加傾向にありますが、胃がんで亡くなる人は昭和40年代後半以降、減少傾向にあります。

次に消化器系の病気で入院・通院している人をみてみましょう。平成26年10月現在、消化器系の病気で入院している人(がんを除く)は人口10万人に対して52人で全診療科の疾患のうち6番目でした。一方の外来通院は人口10万人に対して1,031人で、感染症に続き、2番目に多い割合となります。

また、近年では胃潰瘍や胃がんなどの原因となるヘリコバクターピロリ菌の感染者は減少していると言われています。

つまり、現代人は入院するほどの消化器系の病気になる人は少ないものの、何かしらの消化器系あるいは胃腸の病気を訴えて外来通院する人が多い、ということになります。

健谷課長の
「ここでチェック!」
現代人は、明らかな病気でなくても胃腸の不調を抱えて生活している人は意外と多いのかもしれません。

胃腸の病気になりやすいのはどんな人?

胃腸の病気の代表格である胃炎。胃炎は、悪化して慢性化すると、胃十二指腸潰瘍などから胃がんへと移行していくことがあります。胃炎が、胃腸の病気の基となると言っても過言ではありません。

胃炎や胃潰瘍など、胃の病気の直接的な原因は「ヘリコバクターピロリ菌」への感染などがあげられますが、生活習慣やその人の性格も胃酸の分泌を促進したり、炎症に対する防御因子の働きを弱めることがあり、胃腸の病気を誘発するきっかけとなります。胃腸の病気を誘発しやすい人の例を挙げてみましょう。

●まじめで几帳面
●ストレスを受けやすい性格
●喫煙者
●疲労をためやすい
●暴飲暴食をしてしまう
●辛いものなど刺激のある食べ物が好き
●熱いものや冷たいものをよく食べる
●食事が偏っていて食生活が欧米化している

これらに当てはまる人は、胃酸の分泌が過剰になったり、自らの胃への防御機構を弱めてしまい、胃腸に関連した病気を誘発しやすくなるといわれています。このような生活習慣を改善することで、現在の症状を治めるだけではなく、今後も「胃腸の病気にはなりにくい体」に、変えていくことができるかもしれません。

胃腸の不調に対するお薬、増えてます

胃腸の症状を訴えて外来受診する人が増えているという一方で、入院や死に至るほどの胃腸の病気は減少傾向にあります。その理由の一つとして、ヘリコバクターピロリ菌感染の治療薬の普及があります。2008年から保険適用となり、治療を受ける人が増えています。除菌治療の効果に対する研究結果を見ると、48か月後には胃潰瘍の人は90.7%が、十二指腸潰瘍の人は93.8%が、再発していないという結果が出ています。結果的に、胃腸の病気は徐々に減ってきていると考えられます。

また、胃腸の症状そのものに対する治療薬も増えてきており、実際に処方されるジェネリック医薬品も増えているようです。

  • 僕も時々、仕事をしながら胃が痛くなることがあります。これもストレスなのでしょうか。「入院するほどではないけど外来には通院する胃腸炎」を経験する人は多そうですが、そうなる前にまずは「生活習慣の見直し」や「ストレスを溜めない生活」が、必要なんですね。
  • そう、その意識が今回の差がつくポイント!
    これで明日もすこやか、すこやか。

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