差がつく医療のハナシ

蚊が媒介する疾患

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  • 樽井(だるい)さん

    夏が近づくと、増えてくる蚊!特に夜寝る時は、あのブーンという羽の音にイライラすることがあります。ここ数年、町の中でも「蚊を増やさない」というポスターなどを、見かけることがあります。
  • 健谷(すこや)課長

    蚊に刺されるとかゆくなってしまうので、注意したい虫ですよね。しかしそれだけではなく、蚊にさされることが原因で起こる、大きな病気もあるのです。日本では少ないのですが、海外、特に日本より暖かい国では、大きな問題となることもあります。

蚊が媒介する病気、一体どんなもの?

蚊媒介感染症とは「病原体を持った蚊がヒトを刺すことでかかる感染症」をさし、ウイルスを介するものと、原虫を介するものがあります(。蚊媒介感染症にはいくつかの種類がありますが、現在のところマラリアだけは「原虫」により引き起こされ、その他の感染症はそれぞれ特有のウイルスに感染することで発症することが分かっています。
蚊媒介感染症にかかった人が日本へ入国(帰国)することで、日本国内で感染が広がる可能性があります。。これらは、海外で感染して国内に持ち込まれる感染症(輸入感染症)と呼ばれています。

発症期にある帰国者や旅行者が日本国内で蚊に刺され、その蚊がさらに別の人を刺すことで、国内に感染が広まります。

ここ数年、日本国内でもしばしばメディアで取り上げられる蚊媒介感染症には、チクングニア熱、ウエストナイル熱、黄熱、ジカウイルス感染症、デング熱、マラリアなどがあります。これらは日本では本来、輸入感染症として扱われてきましたが、2014年に日本国内でデング熱の感染例が確認されたことで、注目が集まるようになりました。
2012年から2016年の5年間で、日本国内における蚊媒介感染症例がどれくらいあったのかをまとめてみました。

日本での蚊媒介感染症は、医療機関からの届け出が必要な「四類感染症」に指定されていますので、これらは医療機関にて「蚊媒介感染症である」ことが、確認された症例数です。
上のグラフの中で、チクングニア熱、ジカウイルス感染症、デング熱を媒介するネッタイシマカやヒトスジシマカ、そして日本脳炎を媒介するコガタアカイエカは、日本にも生息している蚊です。
蚊媒介感染症の中には、感染はしていても発症していない、というケースもあります。その場合は特に目立った症状がみられないことから、医療機関へ受診することは少ないですし、もし受診していたとしても「風邪かな?」となってしまうことも考えられます。

健谷課長の
「ここでチェック!」
蚊に刺されると、たかが「虫刺され」と安易に考えてしまいがちですが、ほんの小さな蚊でも、どのような病気を媒介するのかは分かりません。蚊媒介感染症は、「蚊に刺されないこと」が、一番の予防策です。

蚊が媒介する感染症を防ぐには?

上記の蚊媒介感染症のうち、特異的な治療薬があるのはマラリアだけです。他はすべて対症療法(その時の症状を緩和するための治療)が中心となりますから、感染してからの治療よりも、感染しない=蚊に刺されないことが、もっとも重要な予防策です。

【蚊に刺されないためにできること】
●肌を露出しない:長袖・長ズボンの着用、素足でサンダル履きをしない
●露出部分には虫除け剤(スプレーやジェルなど)を使う
●媒介蚊の活発に吸血する時間帯に特に注意する
➢ヤブカ類、イエカ類(多くの病気を媒介する蚊):日中が活発で、都市部では建物内外に生息しているため、屋内での蚊の駆除や、屋内でも虫除け剤を使用する
➢ハマダラカ(マラリアの媒介蚊、日本には生息していない):日暮れから夜明けまで、特に午前2時前後が活溌なため、夜間の外出を避け、就寝時も必ず、蚊帳や虫よけ剤を使用する

渡航先の国や地域が夏の場合、事前に予防接種を受けておく必要があります。特に黄熱は、予防接種証明書を携帯していないと入国できない国や地域があります。
また、マラリアに対しては抗マラリア薬があり、渡航前に予防内服が適応となることがありますので、海外へ行く予定がある人は、かかりつけ医に相談しましょう。
しかし、薬剤を使えば感染しないわけではありません。やはり「蚊に刺されない」対策も必要なのです。

  • もしも、海外で蚊に刺されたり、疑わしい症状が見られたら、渡航先でもすぐに受診することが必要ですよね。帰国してからも「もしかして」と思うことがあれば、やはりすぐに受診して検査してもらうようにします。海外旅行は、楽しく行きたいですよね!
  • そう、その意識が今回の差がつくポイント!
    これで明日もすこやか、すこやか。

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