差がつく医療のハナシ

やりすぎは禁物です!耳掃除の耳寄りな話

  • シェア
  • ツイート

  • 樽井(だるい)さん

    先日、旅行に行った時、おみやげで結構カッコいい耳かきを買いました。見た目も良いのですが、使ってみるとこれが気持ち良くて。今、耳掃除が毎日の習慣になっています。
  • 健谷(すこや)課長

    確かに、良く出来た耳かきや、良く取れる綿棒を使った耳掃除は気持ち良いですよね。でも、耳掃除は気持ち良いからやるものではありません。耳掃除にも、正しいやり方があるのです。

知っているようで知らない、正しい耳掃除

ついつい毎日の習慣になってしまう耳掃除。「完全に取りきらないと気持ち悪い」とか「奥の方までやらないとスッキリしない」という方もいると思います。
そもそも耳垢とは、耳穴の皮膚の表皮細胞や外部からのホコリなどと、耳垢腺からの分泌液が混ざったものです。皮膚の細胞は、外耳道の入り口から3cm奥あたりの鼓膜付近から、ゆっくりと耳の外に向かって移動します。古くなった皮膚の細胞は入り口から1cmのところで剥がれ落ち、耳垢腺からの分泌物と混ざりながら、耳垢になります。

耳垢のほとんどは、その場所に留まり、耳垢自らが、奥の方へ進んでしまうことはありません。それを綿棒など柔らかいものを使って取るか、ピンセットなどでつまめば、キレイに取れてしまうものです。
ところが、耳の奥の方まで耳かきや綿棒で触ってしまうと、耳垢をどんどん奥の方に押し込むことになり、場合によっては外耳道を傷つけてしまうこともあります。逆に、やらなさすぎも問題で、耳垢が溜まり過ぎてしまうと、耳が聞こえにくくなったり、湿疹の原因となることもあります。

耳垢そのものには、殺菌効果や、外耳道を保護する役割、虫などの侵入を防ぐという役割があります。そうした役割を果たす耳垢を完全に無くしてしまうような、耳掃除のやりすぎは、耳の健康のためにも良くありません。耳掃除の頻度は、月に1回、片耳にかける時間は2分程度で十分だとされています。入り口から1cmというのは直接目で見える範囲なので、だれかの耳掃除をしてあげる時も、見えている耳垢だけ無理をせず取るというのが正しい耳掃除の方法です。

耳掃除と、耳疾患との深い関係

耳垢や耳掃除に関係する疾患には、次のようなものがあります。

【耳垢塞栓】

耳垢がたまることで、外耳道をふさいでしまっている状態のことです。自然に起こることもありますが、耳掃除で耳垢を押し込むことが原因になることもあります。耳垢が湿っている人は耳垢が自然に外に出にくいため、どんどん奥にやってしまう傾向があります。

【外耳炎(外耳道炎)】

外耳道に炎症が起こっている状態です。耳掃除の際に外耳道を傷つけてしまい、感染を起こすことで炎症を起こします。また、プールなどの汚い水が外耳道に入り込み、ふやけた耳垢が細菌感染を起こすこともあります。

【外耳道外傷】

外耳道が傷つくことによって、痛みや出血が起こる状態です。耳掃除の際に外耳道や鼓膜を破ってしまうことがあります。耳掃除の最中に人とぶつかったりすることで、思いがけず耳の奥の方まで触ってしまい鼓膜を破ってしまうこともあります。

健谷課長の
「ここでチェック!」
耳をキレイにしているつもりの「耳掃除」が、逆に何らかの疾患を引き起こすこともあります。もし不具合を感じたら深追いせず、専門医(耳鼻咽喉科)に相談しましょう。

正しい耳掃除で、耳疾患のリスクを抑えよう

まるで汚いもののように思っていた耳垢が実は、私たちの耳の中を異物から守っていたり、殺菌作用によって適度な清潔を保っているのです。
私たちのからだには、「耳垢を自然に排出する」という働きがあります。この自然の働きに任せ、正しい耳掃除、安全な耳掃除で、耳の健康を保ちましょう。
安全な耳掃除とは、動きながらの耳掃除や、寝転がるなど不安定な態勢での耳掃除をしないことです。周りの物や人にぶつかったりしないよう、周囲の安全を確かめて、行うようにしましょう。

  • 耳掃除って、自分では見えないところをキレイにするので、ついつい、見た目よりも感触で気持ち良さを感じていました。でも、やり過ぎは良くないのですね。今日からは月に1回を目指します。
  • そう、その意識が今回の差がつくポイント!
    これで明日もすこやか、すこやか。

差がつく医療のハナシ 一覧ページへ
あなたにオススメ記事

長引かせない!風邪のひき始めの対処法

鼻づまりにいいレシピ 「レンコンとさんまの塩唐揚げ」

副鼻腔炎を防ぐためには?

蚊が媒介する疾患

ヘルパンギーナとプール熱