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未来のヘルスケア ショートショート

選択肢ごとに結末が変わる! 自分次第ショートショート

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犬型Wi-Fi

を選んだ場合の結末

修平のもとに届いたもの。
それは犬型のWi-Fiだった。
見た目はいかにもメカっぽい
柴犬くらいのサイズのもので、
説明書によると人工知能を搭載した
自律型のWi-Fiルーターなのだという。
なかなかに場所を取られるなぁ……。
そんなことを思いながらも、
修平はさっそく起動してみた。
その瞬間、犬型Wi-Fiは
立ち上がって「ワン!」と吠え、
修平は驚き苦笑した。

01/07

二匹はとたんに駆け寄って、
じゃれ合いはじめた。
向こうのWi-Fiの飼い主は、
若い女性だった。
女性は修平に向かって微笑んだ。
「そちらのワンちゃん、
なんてお名前なんですか?」
修平はどぎまぎしながら答えつつ、
ギンの働きぶりに舌を巻く。
まさかギンに、出会いをもたらす
力までもがあるなんて。 終わり

07/07

そして、ギンが
もたらしてくれたのは、
それだけではなかった。
ある日のこと、
修平がいつものように
ギンと散歩をしていると、
犬の吠える声がした。
それはギンの声ではなく、
前のほうから聞こえてきていた。
修平はそちらを見やり、
目を丸くした。
そこにいたのは、ギンとは
別の犬型Wi-Fiだったのだ。

06/07

木々の緑に、セミの鳴き声。
青い空には、真っ白な
入道雲がそびえている。
それらに触れて、
修平はなんだか心が洗われる
ような気持ちにもなった。
散歩の時間は長くなり、
それにつれてパソコンを
持ちだして外で仕事を
することも増えていった。
ギンのおかげで、どこにいたって
Wi-Fi環境は万全だ。
木陰で涼をとりながら会議に臨むと、
いつも以上にアイデアが
浮かんできたりした。

05/07

「……もしかして、
散歩に行きたいのか?」
推測は当たったらしく、
ギンはうれしそうに
キャンキャンと吠えた。
それ以来、修平は夕方になると
ギンと散歩に出かけるのが
日課となった。
そのおかげで、増加傾向にあった
体重は減りはじめた。
そういえば、ここのところは
散歩なんて全然してなかったなぁ
と修平は思う。

04/07

オンライン会議でのラグは
一切なくなり、
ネットもサクサク動くようになった。
仕事もはかどり、
修平は大いに満足した。
しかし、そのうち、
修平はあることで困ってしまう。
夕方になると、ギンがワンワンと
吠えるようになったのだ。
最初は原因が分からず、
集中力もそがれるので、
どうしたものかと思っていた。
しかし、やがて修平は理解する。

03/07

「本物の犬みたいだなぁ……
とりあえず、ペット可の部屋で
よかったけど……」
その日から、修平は
犬型Wi-Fiと暮らしはじめた。
最初に決めたのは名前だった。
「よし、銀色だから、名前はギンだ。
ギン、よろしくな!」
ギンはワンッと吠えて、それに答える。
修平が頭を撫でてやると、
うれしそうに尻尾を振る。
ギンは肝心のWi-Fi機能も
素晴らしかった。

02/07