差がつく医療のハナシ

ストレスフルな生活と病気の関係

  • シェア
  • ツイート

  • 樽井(だるい)さん

    仕事が忙しい時や、環境が変わった時って、疲れが抜けない気がします。プライベートでの人間関係の変化がある時も、気分が落ち込んで物事に集中できないことがあります。これって、誰もが感じているのでしょうか。
  • 健谷(すこや)課長

    仕事や環境の変化によって体調が変わるのは、ストレスによる影響かもしれません。人間関係の変化というのも、代表的なストレスの原因です。それによって引き起こされる病気もあるのですよ。

仕事のストレス その実態は?

人は、さまざまな理由でストレスを抱えてしまうことがあります。
例えば「仕事のストレス」を見てみましょう。厚生労働省が行っている「労働安全衛生調査(実態調査)」の2017年の結果によると、労働者のうちの半数以上が、仕事や職業生活に対して強いストレスを感じていることが分かります(図1)。

図1 仕事や職業生活に関する強いストレスを感じている人の割合

    

これによると、仕事をする上でストレスを抱えている人は、20歳未満は4人に1人ですが、20歳代になると急に増え「2人に1人以上」という結果になります。全年齢層をあわせると、58.3%の人が、何らかの「強いストレス」を抱えています。

さまざまなストレスは体にどう影響するのか

ストレスとはそもそも、「外からの刺激による心や体の反応」のことです。ストレスを起こす原因をストレッサーと呼びますが、何がその人にとってのストレッサーになるかは分かりません。また、結婚や離婚などの「生活が大きく変わること」や、親しい人との死別、自分自身の病気なども、人によっては大きなストレッサーとなります。「子育て」がストレッサーとなるケースもあります。
一般的に、ストレスによる反応には
●心理的反応:怒りや不安、悲しみ、不眠、怒りっぽい、注意力・集中力・記憶力・判断力の低下など
●身体的反応:頭痛や腹痛、めまい、疲労感、血圧の上昇、下痢や便秘など
があるとされています。これに対して人が起こす行動の変化には、過食または拒食、多量の飲酒、喫煙など、悪しき生活習慣ともいえる行動があります。ストレスが強い生活を続けていると、やがてさまざまな病気の原因ともなるのです(図2)。

図2 ストレスが原因の一部と考えられる病気

一時的な体調の変化であれば、ストレッサーから切り離された生活を、数日間送れば良いのかもしれません。しかし図2の中には、一度かかってしまうと一生涯付き合っていかなければならない慢性疾患も含まれています。また、国立がん研究センターが行った研究(2018年1月に結果を公表)では、「長期的にわたり、自覚的ストレスレベルが高ければ、全がん罹患リスクが高くなる」という結果が出ています。 慢性的な病気やがんになれば、受診、検査、投薬、治療など、毎月の医療費は膨らんでいきます。「仕事や責任の大きさ」「対人関係」などから始まったストレスは、放っておくとさまざまな病気を引き起こし、治療費も多くかかってしまう可能性があります。。

ストレスからの開放で健康になる社会づくりへ

日本では現在、ストレスフルな環境をどう改善するか、ストレスを感じている人をどうサポートしていくかなど、ストレスの少ない社会づくりが推進されています。

2015年から厚生労働省が主体となり「企業におけるストレスチェックの義務化」が始まりました。これは、労働者数50人以上の事業所が、年に1回以上、労働者に「ストレスに関する質問票」への回答を促し、その結果を元に労働者のストレス状況を把握し、必要に応じて医師からの面談を行うように促す、という制度です。また、2016年からは経済産業省が「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定制度をスタートさせました。 さらにプライベートな部分でのストレスについては、地方自治体や医療機関などで、相談窓口を設けているところが増えてきました。

ストレスの要因は人によってさまざまです。誰もがストレスを感じない環境づくりというのは難しいものですが、このような制度の充実により、よりストレスの少ない環境が整備されるといいですね。

  • ストレスって、誰でも多少は感じると思いますが、それがこれだけ多くの病気の原因になるとは思いませんでした。一生涯の医療費を考えたら、大変です。今からでも少しずつストレスを開放して、将来的な医療費を下げることを目標にしたいと思います。
  • そう、その意識が今回の差がつくポイント!
    これで明日もすこやか、すこやか。

差がつく医療のハナシ 一覧ページへ
あなたにオススメ記事

新しい季節は運動で気軽にリフレッシュ!

季節の変わり目は体調の変化に注意!

うつ病

めまいがラクになるツボ

ストレスの緩和で防ぐ 男性更年期