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5年をかけ、医薬品の信頼性を保証する「最後の砦」を育てる

信頼性保証職の育成に向けた取り組み

患者さんにお届けする医薬品について、品質や有効性、安全性に問題がないかを確かめ、信頼性を保証し続けていくことは非常に大切です。
沢井製薬が製造販売する医薬品の品質や有効性、安全性を守り続けているのが、信頼性保証職。極めて重要な役割を担うからこそ、大きなやりがいが感じられる仕事です。サワイジェネリックの品質を担うスペシャリスト・幹部候補生を計画的に育成することを目的として、信頼性保証職育成コースの育成プログラムを立案した担当者に、信頼性保証職の魅力や求められる人財像などを聞きました。

メンバー

Y.K

信頼性保証本部
信頼性保証統括部 信頼性保証統括室
薬学部薬学科卒

2006年 中途入社

多面的、多角的に、沢井製薬の医薬品すべての品質、有効性、安全性を守り続ける

信頼性保証本部の役割と仕事内容は?

信頼性保証職が所属する信頼性保証本部は、沢井製薬が上市した医薬品、つまり製品として市販した医薬品を、患者さんに安心して使っていただくため、品質、有効性、安全性を保証し続けていく部門です。下表にある7部門(2025年3月末時点)からなり、各部署がそれぞれの責任で専門性を発揮し、多面的、多角的に一つひとつの医薬品の信頼性を守る業務を行っています。

信頼性保証部門の部署と主な業務内容図版

他の部門との連携、関わりは?

信頼性保証本部は、医薬品の品質、有効性、安全性を保証し続けるため、常に、生産部門、研究開発部門、営業部門などと連携を図りながら、医薬品の信頼性を保証する業務を遂行しています。

例えば、品質保証部は製造から出荷までのあらゆる工程で起きた不具合な事象に対して、工場から的確に情報を収集し、収集した情報やデータを基に製品の品質への影響の評価や出荷可否の最終判断を行います。また、製造販売に必要な薬事手続きは薬制部が、医薬品を包装する資材のデザインは製品情報部が、製造に合わせて問題が発生しないよう生産部門と連携を取り、医薬品の製造を支援しています。

安全管理部はMR(Medical Representatives、医薬情報担当者)やメディカルコミュニケーション部などから得られた安全性情報を収集・分析し、必要な措置を講じます。MRは安全管理部が講じた措置を医療関係者に情報提供する役割を担っています。両者は、医薬品の安全性を確保するためのパートナーとして、密に連携を図っています。また、医療機関または患者さんへ提供する資材の作成や営業部門への研修では学術部門と常に連携を取りながら実施しています。

仕事の魅力、やりがいは?

もし、医薬品の品質、有効性、安全性に問題があれば、場合によっては、患者さんの生命に関わる事態となることもあり得ます。患者さんにお届けする医薬品の信頼性を保証することは製薬企業の使命です。

また、医薬品は上市したら終わりではなく、安定供給することも製薬企業の使命です。沢井製薬は、扱っている医薬品の品目数がおよそ800もあり、新薬(先発医薬品)メーカーなどと比べても圧倒的に多いという特徴があります。

それらすべての医薬品の信頼性を保証し、安定供給をし続けるには、たくさんの労力と知識やスキルを注ぎこむ必要があります。「品質保証部は品質を守る最後の砦」と言われることが多いですが、信頼性保証職はその「品質を守る最後の砦」であることをしっかり認識して業務にあたらなければ、製品の信頼性を保証し続けることはできないと私は思っています。

信頼性保証職は重大な責任がある半面、それだけ大きなやりがいを感じられる仕事です。
また、沢井製薬は多くの品目に関わることができ、品目によって発生する問題も異なるからこそ、いろいろな経験ができ、幅広い知見を身に付けられます。それも魅力のひとつだと思います。

私自身は、病院勤務の際に治療が患者さんの希望になることを実体験しています。患者さんにお届けする医薬品の信頼性を守る業務を通じて、医療や社会に貢献できることが、信頼性保証本部での業務の魅力とやりがいに繋がっています。

信頼性保証職育成コースは、さまざまな部門を経験し、医薬品製造の幅広い知識の獲得を目指す

ご担当されている信頼性保証職育成コースとは?

信頼性保証職育成コースは、サワイジェネリックの品質を担うスペシャリスト、幹部候補を育成するために2025年度から本格的な運用が始まった制度です。
このコースの主な目的は、入社後、工場の生産技術、品質管理・品質保証、研究開発職などで信頼性保証業務に必要な製剤特性、薬事、品質や安全性に係る知識およびスキルを、実務を通して習得していただくことにあります。

工場や研究開発職などにおいて、医薬品製造に関するさまざまな業務を2~3年間にわたって経験したのち、本社の品質保証部や薬制部などで品質に関連する職種を担っていただきます。

このような内容にしたのは、何より医薬品製造の専門知識を早く身に付けていただきたいからです。 信頼性保証本部には、研究開発や製造現場の経験がなくても、問題を論理的に考え、解決策を導くことができる人財がたくさんいますが、現場経験や知識があったほうが医薬品の製造工程をよりイメージしやすくなります。 また、薬学系出身以外の方で信頼性保証の業務を担っている方もたくさんいますが、もともと医薬品関連の知識がある薬学系の方に比べ、知識やスキルを身につけるのに時間がかかっていました。それを解消したい意図もあります。

ご本人にとっても、専門知識を持った人財に早く成長できれば、キャリア形成に役立つでしょう。
800品目もの医薬品を扱う沢井製薬のさまざまな部門を経験すれば、多様な経験を積むことができるはず。そんなコースをご本人や人事部と連携して目指していきます。

始まったばかりですが、どんなコースにしていきたいですか?

沢井製薬に中途入社してから今まで、個人的に「自分はこんなことをしてほしかった」ということが少なからずあるので、それらを少しでも盛り込んでいければと考えています。

また、初期配属の3年間は他部門での業務となるため、その間は私たち信頼性保証統括部が手厚くフォローしていこうと思います。3年後、信頼性保証本部の配属先にスムーズに馴染めるよう、信頼性保証本部の各部署の方針なども随時共有していきます。
加えて、このコースに参加される方々がもともと持っていらっしゃる知識やスキルをさらに向上できるよう、さまざまな情報やツールを提供していこうと考えています。

多様な人財に活躍のチャンスがある

信頼性保証職に求められるものは?

信頼性保証職で求められるスキルとして、論理的思考と状況適応力、そして発信力とオーガナイズ能力が挙げられますが、これらの能力は研究開発職、生産職や営業職でも同様に必要です。また、職務は違っていても、患者さんに安心して使っていただける医薬品を届けるという思いは、沢井製薬のどの部門にも根底にあります。
ですから、沢井製薬で求められる一般的なスキルと患者さんへの深い思いを持っていれば、だれもが信頼性保証職で活躍することができると考えています。

実際、信頼性保証職の社員の専攻はバラバラで、中途入社者も多く、異なる経験や知識を持った人財が集まっています。
私は、さまざまな経験や知識を持った人財が集まり、偏りがないほうがいいと思っています。多面的、多角的に医薬品の信頼性を守り続けていくこの仕事では、いろいろな知識、経験が求められ、また、活かすことができますから。その中でも、長年、信頼性保証職に携わってきた私としては、医薬品の品質、有効性、安全性を忘れずに仕事をできることが、信頼性保証職に最も求められる要素ではないかと思います。

どんな人財を育てていきたいですか?

育てていきたいのは、医薬品の信頼性を確保、維持し続けるために、あるべき姿とそのギャップを常に考えて、その差を埋めるために自ら行動を起こせる人財です。

医薬品の信頼性を保証することに、決まりきった答えがあるわけではありません。過去の事例などから導いたノウハウなどもある程度はありますが、すべてをマニュアル化できるわけでもありません。
たくさんの品目の医薬品を製造販売し、起きる問題も千差万別という中で、いろいろな部署のメンバーと話し合い、連携、協議しながらその都度判断し、解決策を考え、方向性を決めていくのが、信頼性保証職の役割です。

ただ結論を出し、問題を解決するだけでは不十分であって、起こってしまった問題を次に活かす必要もあります。「なぜそうなったのか」について検討し、より高質に医薬品の信頼性を保証し続けるための改善策を考え、実行していきます。
だからこそ、ありたい姿を考えて、それと比較して今の状況はどうかを考え、そのギャップを埋めるために判断、行動できる人財が必要なのです。

信頼性保証職育成コースで採用された方が、さらに成長を遂げ、医薬品の信頼性を確保、維持し続けるために、サワイジェネリックの品質を担うスペシャリストとして自ら行動を起こして活躍する姿を見るとき——そのときが、私としてはこのコースのゴールだと思っています。

※こちらの掲載情報は2025年3月末の情報です。

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