ご挨拶

新薬の特許が切れた薬は国民の共有財産という考えのもと、半世紀以上にわたりジェネリック医薬品業界のパイオニアとして業界を先導し、業界の成長とともに当社も成長してきました。今では、ジェネリック医薬品は社会インフラの一つと言われるまでになりました。その中で、当社は業界のリーデングカンパニーとして、社会からの期待や社会的責任は大きくなるばかりです。
この5年程を振り返りますと、2020年のCOVIT19のアウトブレイクと同じ時期に始まった当社を含む多くのジェネリック医薬品企業での、度重なるGMP違反の発覚とそれに伴う医薬品供給不足、また、中間年改定を含む連続8年に及ぶ薬価改定の実施、物価高騰に伴う生産コスト上昇と大変厳しい状況が続きました。そのような中においても、当社は生産を継続し、増産し続けるとともに、更なる増産体制構築に舵を切り、福岡県の第二九州工場と福井県のトラストファーマテック社での増産投資を断行してきました。
これらの増産投資を推進している一方で、前述の通り別の工場でのGMP違反による行政処分を2023年12月に受けることとなりました。従業員一同、本件を重く受け止め、全社を挙げて、企業風土改革による風通しの良い企業文化の醸成、そして再発防止策の立案実施を推進してきました。関係者の皆様には多大なご不便とご心配をおかけしたことをあらためて深くお詫び申し上げます。
さて、ジェネリック医薬品業界をとりまく事業環境に目を向けますと、ジェネリック医薬品の置換率が全国ベースで85%になり、金額ベースでも62%を超えるまでになりました。業界はその急成長期を過ぎ、安定成長期、さらには選択と集中期に入ろうとしています。品目統合や業界再編の話も飛び交っており、事業環境は今まで以上に厳しくかつ予測が難しい変化の時期に突入したと言えます。この変化に乗り遅れないように、変化を敏感にとらえ、諸課題に迅速に取り組む覚悟でおります。
このような時期だからこそ、当社の社会的責任の重さを従業員全員とも共有し、諸課題に粘り強くしっかりと対応することで、さらに成長する事を目指す所存です。
引き続きご理解、ご指導を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
2025年4月
代表取締役社長