ジェネリック医薬品6成分12品目の新製品薬価基準収載のお知らせ
沢井製薬株式会社(本社:大阪市淀川区、代表取締役社長:澤井健造)は、本日12月8日に、ジェネリック医薬品6成分12品目について薬価基準への収載が官報告示されたことをお知らせします。新製品の収載により、沢井製薬が取り扱う製品ラインアップは335成分821品目となります。
12月9日に薬価基準が適用される新製品(ジェネリック医薬品)
薬効分類名 | 製品名 | 先発品名 |
---|---|---|
プロトンポンプ・インヒビター |
エソメプラゾールカプセル10mg「サワイ」 エソメプラゾールカプセル20mg「サワイ」 |
ネキシウム®カプセル10mg ネキシウム®カプセル20mg |
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI) | エスシタロプラム錠10mg「サワイ」 エスシタロプラム錠20mg「サワイ」 エスシタロプラムOD錠10mg「サワイ」 エスシタロプラムOD錠20mg「サワイ」 |
レクサプロ®錠10mg レクサプロ®錠20mg |
メラトニン受容体アゴニスト | ラメルテオン錠8mg「サワイ」 | ロゼレム®錠8mg |
V2-受容体拮抗剤 |
トルバプタン顆粒1%「サワイ」 トルバプタンOD錠7.5mg「サワイ」 トルバプタンOD錠15mg「サワイ」 |
サムスカ®顆粒1% サムスカ®OD錠7.5mg サムスカ®OD錠15mg |
骨粗鬆症治療剤 | イバンドロン酸静注1mgシリンジ「サワイ」 | ボンビバ®静注1mgシリンジ |
環状リポペプチド系抗生物質製剤 | ダプトマイシン静注用350mg「サワイ」 | キュビシン®静注用350mg |
新製品ハイライト
1.「SAWAI HARMOTECH®」(以下、サワイハーモテック)を活用した製剤設計
エスシタロプラムOD錠10mg/20mg「サワイ」
エスシタロプラムOD錠10mg/20mg「サワイ」は、有効成分の苦みマスキング、錠剤の強度・崩壊性・耐湿性の確保を目指し、サワイハーモテックの技術を用いて製剤設計を行っています。現在6種類に分類されている技術のうち、本製剤では「QALCORE(※1)」および「SARAMEL®」の2種類を用いています。
(※1)技術名称に関する商標登録の準備中です。
2.医療機関向けの工夫
ダプトマイシン静注用350mg「サワイ」
ダプトマイシン静注用350mg「サワイ」は、2層ラベルを採用し、はがした上層ラベル裏面には調製方法を記載しているほか、バイアルの側面から液面と溶解状態を確認できるようラベルのすき間を設けるなど、薬剤調製と医療安全を考慮した製剤となっております。また、キャップに成分名、含量、調製の注意点の1つである「生食7mLで溶解」を表示しています。


サワイハーモテックの技術一覧(2022年12月現在)
MALCORE、QALCORE、DRACORE
技術概要 | 技術名称 | 内容 |
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核粒子製造技術 | MALCORE®(マルコア) | 「乾式コーティング」を使った薬物含有核粒子の製造技術 |
QALCORE(カルコア) | 「湿式コーティング」を使った薬物含有核粒子の製造技術 | |
DRACORE®(ドラコア) | 「湿式吸着法」を使った薬物含有核粒子の製造技術 |
核粒子製造技術とは、右図のように中心部にある核粒子(添加剤)の外側に、薬物層、機能性コーティング層を被覆する技術です。当社従来技術では、核粒子に対して大量の薬物含有液を噴霧しながらコーティングをしていました。1つの核粒子に被覆する薬物が少なくなるとその核粒子あたりの薬物含有率が下がり錠剤が大きくなるため、時間をかけてでも薬物含有率を高くする必要があります。
上記の核粒子製造技術を製剤の特徴に合わせて採用することにより、製造におけるコーティング工程にかかる時間の短縮につながる他、従来よりもコーティング顆粒を小さくできるため、服用感の向上効果も期待できます。

SARAMEL
技術概要 | 技術名称 | 内容 |
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OD錠製造技術 | SARAMEL®(サラメル) | 「さらっと溶ける」プレミックス添加剤技術 |
錠剤のなかでも特にOD錠は、錠剤強度、崩壊性、耐湿性の相反する特性を兼ね備える必要があります。4種類の一般的な添加剤からなるオリジナルの添加剤を用いることで、「高強度」「高耐湿性」「速崩壊性」を兼ね備えた錠剤の製造が可能になります(※2)。高い強度と耐湿性を持つことから、医療現場での取り扱いやすさにつながるほか、崩壊性の高さは錠剤の飲みやすさにもつながります。
このプレミックス添加剤により、開発・生産効率を高めるほか、一般的な添加剤を使用しているため、様々な製品へ展開が可能です。
(※2)本技術はOD錠の製造にとどまらず、普通錠への展開も行っています。

THRUCOAT、SARACOAT
技術概要 | 技術名称 | 内容 |
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フィルムコーティング技術 | THRUCOAT®(スルーコート) | 「するっと飲める」フィルムコーティング技術 |
SARACOAT®(サラコート) | 「コーティングしているのにさらっと溶ける」フィルムOD錠技術 |
フィルムコーティング技術とは、錠剤の表面に機能性フィルムコーティングを行う技術です。摩擦を小さくし嚥下時の抵抗感を少なくする技術としてTHRUCOAT、OD錠に遮光性・耐湿性・耐摩損性が付与できる技術としてSARACOATがあります。
例えば、糖アルコールや低粘度可塑材の配合比率を調整した速溶解性フィルムをまくSARACOATの技術により、一般的なフィルムと比べて溶ける時間を約12分の1とし、光に強いOD錠の製造を実現しました。これらの技術は、お薬の飲みやすさや医療現場での取り扱いやすさにもつながっています。
サワイハーモテックは多くの患者さんにジェネリック医薬品をお届けするために獲得した知見や成果を体系化したものです。ジェネリック医薬品は、先発品の製剤開発時から、約15~20年経過した時点で上市するケースが多く、最新の技術で製剤化を検討することができます。
当社はこれまで多くのジェネリック医薬品の製剤化を含めた研究開発を行い、患者さんのもとへお届けしてきました。製品の上市にあたって、多くの医療関係者にご意見をいただき、その声に応えるために磨いてきた製剤技術を持っています。近年、製剤の処方は複雑化していますが、時代の変化に合わせ、新技術のさらなる発展や融合による付加価値の創出に努めてまいります。
当社のプレスリリースは、当社情報をステークホルダーの皆様へ公平かつ適切なタイミングでお知らせするために行っております。製品や疾病に関する情報が含まれる場合がありますが、広告やプロモーション、購入の推奨や顧客の誘因を目的とするものではございません。