NOXANA
NOXANAとは 薬をつくるときに生じるニトロソアミンのリスクを予測する技術
発がん性物質ニトロソアミン*について、薬をつくるときに薬のなかで生じるリスクを予測する基準を導き出しました。
その基準を活用し、ニトロソアミンが混入するリスクを抑えた薬づくりに役立つ技術です。
国内外で問題になっている発がん性物質。薬だけでなく、一部の食品などにもごくわずかに含まれています。
NOXANA誕生までのストーリー
01問題と課題
ニトロソアミンが混入しない薬の設計方法はないか
国内外で問題になっている発がん性物質「ニトロソアミン」。
2021年10月には厚生労働省より(ほぼ)全ての医薬品におけるニトロソアミン混入リスク管理について通達が出されました。
※医薬品におけるニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検について(PDF:67.3KB)
ニトロソアミンは「アミン」と「NOx」が反応してできる化合物で、物質に含まれるアミン、NOxのどちらかを無くすか減らすことが、製造中のニトロソアミンの抑制につながります。
しかし、それらの物質の混入をゼロにするのは非常に困難でした。
ニトロソアミンのもとになる物質。
アミン=アンモニア(NH3)の誘導体
NOx=窒素酸化物などのニトロソ化剤
02アイデアと技術化
「反応性NOx」からニトロソアミンの生成リスクを予測
NOxはニトロソアミンが生じる原因となる物質のひとつ。
薬づくりに欠かせない添加剤には、さまざまなNOxが含まれます。
ただし、全てのNOxがニトロソアミンになるわけではありません。生成の可能性があるニトロソアミンの量を知るには、ニトロソアミンになるNOxの種類と量を知ることが重要ですが、それは非常に困難でした。
そこで私たちは添加剤にアミンを加えてNOxと反応させ、強制的にニトロソアミンになる反応をおこすことで、それぞれの添加剤から生成されるニトロソアミンの量を調査。添加剤に含まれるNOxのうち、ニトロソアミンになる反応に使われた量を導き出しました。このニトロソアミンになる反応に使われたNOxのことを「反応性NOx」と定義しています。
反応性NOxの実験結果はデータベースに蓄積。薬の設計時に、反応性NOxの量が少ない添加剤を選択できるようになりました。
03可能になること
ニトロソアミンの生成リスクを抑えた薬の開発
全てのNOxの種類と量を把握しなくても、ニトロソアミンの生成リスクが予測できるようになります。また、データベースに基づいてリスクを適切に判断し、効率的な製品開発が可能となります。
技術のポイント
ポイント01
薬をつくるときに生じるニトロソアミンの生成リスクを予測できる。
ポイント02
ニトロソアミンの生成リスクを抑えた薬をつくることができる。