立川らく朝の健康サプリ

第4回

酒豪になるのは命がけ

それにしても最近、女性がよく飲むようになりました。居酒屋へ行くと女性のグループがガンガン飲んでる。なかには酒豪の女性も結構いて、自慢じゃないけど、さしで飲んで飲み負けた女性が過去3人いました。

私はべつに酒が強い方じゃないけど、若い頃はよく飲みました。そのピークの時でさえ、同じペースでついて行けなかった女性が結構いたんです。とにかく相手が猪口を空けるペースに追いついていけないんですよ。ついに敗北を認め、その女性の酒豪っぷりに見とれたものです。その時一緒に飲んでいて思ったね、「なんて男らしい!」・・・決して口には出さなかったけどさ。

酒は百薬の長、という言葉もあれば、酒は命を削るカンナ、とも。どっちが正解かって、呑兵衛にとっては前者、下戸にしてみれば後者ということになるんでしょう。

「おいおい、酒は善玉のコレステロール(HDL)を増やして動脈硬化を防ぐ、だから体に良いって、らく朝自身がコラムに書いてるじゃないか」、ってよく知ってるなあ。でもそれは少量のお酒の場合で、しかも動脈硬化に限った話なんですね。

2016年、疾病に関する負荷を定量化しようという研究(世界の疾病負担研究・GBD)で、お酒と病気との関連を調べました(University of Washington)。

その結果、50歳以上のアルコール関連死に占めるがんの割合は、女性で27.1%、男性で18.9%と、かなり高い数字だったんです。これはちょっと気になりますよ。

アルコールがガンのリスクになるということはよく知られています。しかもこのデータを見ると、女性の方が数値が高い。実は女性は男性よりずっとアルコールの影響を受けやすいんです。女性が酒豪になるのは、命がけかもしれませんね。

さて、動脈硬化ではどうなんだというと、虚血性心疾患(心筋梗塞など)のリスクは、1日0.8ドリンク程度の少量の飲酒者で最小、という結果になりました。

0.8ドリンクとは、1ドリンクの8割。1ドリンクとは、缶ビールのレギュラー缶(375mL)1本分。つまり缶ビールを飲むときには、2割を残さないとリスク低下の恩恵にあずかれないというわけ。うっかり飲み干してしまうと、逆に心筋梗塞のリスクが高くなる・・・これ心臓に悪いよね。

こうして見るとお酒の体への影響は、ガンにはかなり悪そう、心筋梗塞はちょっとだけ飲むなら良さそう、ということになります。では健康全般について見るとどうなんでしょう。

じつは、前述の世界疾病負担研究で、“全健康損失リスク”を最小限に抑えるアルコール摂取量を計算したんです。さあその結果は、「1日0ドリンク」だったんですって。そう、ゼロよゼロ。早い話が「飲んじゃ駄目」ってこと。

酒は百薬の長、なんて言ってると、知らないから。え、「いつもノンアルのビールだから大丈夫」。ほう、気をつけてますねえ。でも美味しくないでしょ、「大丈夫、焼酎をノンアルで割ってる」、ってナンにもなんないでしょ。